この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

最後までよくわからなかった『ジュピターズ・ムーン』。

2018-02-02 23:39:58 | 新作映画
 コーネル・ムンドルッツォ監督、『ジュピターズ・ムーン』、1/27、Tジョイ博多にて鑑賞。2018年4本目。


 『パディントン2』の記事で書いた、元々観に行く予定だったが、どうもつまらなそうな映画とはこの『ジュピターズ・ムーン』のことでした。

 タイトルがいいですよね、「ジュピターズ・ムーン」。
 直訳すると「木星の月」。詩的でカッコいい!
 浮遊能力を持つ少年のお話で、さらにこれだけセンスの良いタイトルであれば内容もきっと面白いに違いない、そう思って前売り券を買ったのですが、公開日が近づくにつれ、どうも思っていたのと違う映画のようだなと思うようになり、前日にはとうとう念のためにこの映画の前にもう一本映画を観ておこうとまで思いました。

 実際観ての感想はというと、、、よくわかんなかったですね、いろいろと。

 まず何がわかんなかったかというと、詩的でカッコいいと思った「ジュピターズ・ムーン」というタイトル。冒頭ちょこっとタイトルについての説明がありましたが、自分は最後まで観ても、なぜこの映画のタイトルが「ジュピターズ・ムーン」なのか、さっぱりわかりませんでした。
 何かの隠喩なんですかね?
 タイトルに惹かれて観に行って、内容とタイトルとの関係性が見い出せないと、何だか詐欺に合った気にさえなります。
 
 内容もよくわかんなかったですね。
 シリアからの難民である少年が父とはぐれたところで警官に銃で撃たれて、浮遊能力に目覚めます。彼は治療に当たった医師と病院を抜け出すのだが、、、というお話です。

 少年が浮遊能力に目覚める原因が銃で撃たれたことなんですが、この時点で大きな饅頭を一口で飲み込むような困難さを覚えました。
 銃が発明されて以来、銃で撃たれた人なんてそれこそ数え切れないぐらいいるとはずで、けれどその人たちの中に浮遊能力に目覚めた人はいません。
 浮遊能力に目覚める原因としては、それはちょっと弱すぎるのではないかと思いました。

 展開もついていけなかったですね。
 少年を病院から連れ出した医師は、医療ミスで莫大な慰謝料の支払いを迫られていて、その金を稼ぐために少年を見せ物にすることを思いつきます。
 何て言うか、、、医療ミスを犯したとしても、医師個人が慰謝料を払わなければいけない、というのは、ちょっと無理があるような気がしました。
 医療ミスを犯したことで病院を追放されたとかならわかるのですが…。

 医師には懇ろの関係の女医がいて、彼女に稼いだ金を手渡すのですが、少年の秘密のことは打ち明けないんですよ。
 誰にも言わない、だから女医にも言わないというならともかく、医師は少年を使って大金を稼いでいるわけです。
 あえて少年のことを秘密にする理由がわかりません…。

 結局医師が少年の能力のことを女医に打ち明けなかったせいで物語は悲劇的な結末を迎えるのですが、逆に悲劇的な結末を迎えるために医師は女医にそのことを打ち明けなかったとしか思えませんでした。
 
 いろいろわからなかった本作ですが、一番謎だったのはキャスティングですね。
 ともかく主人公は“少年”なのですが、その少年を演じた役者がどう見ても30過ぎのオッサンにしか見えないのです。
 主人公が少年扱いされるたびに、作中の年齢設定はいくつなんだろう、役者の実年齢はいくつなんだろうと気になって仕方なかったです。
 昨年観た『鋼の錬金術師』で、主人公のアルを山田諒介が演じたことすら寛容に受け入れた自分ですが、この作品ではそれが難しかったです。


 お気に入り度★★、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする