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時刻表2万キロ(宮脇俊三著)

2016-02-23 21:37:33 | 雑感
 この前まで読んでいた内田百著「阿房列車」、百鬼園先生は、「なにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行ってこようと思う。」と曰う。

 さて、「時刻表2万キロ」

  

 著者の宮脇俊三は、中央公論の編集長。百鬼園先生と違って、目的は明確。国鉄全線制覇である。

 『鉄道の「時刻表」にも愛読者がいる。時刻表ほんらいの用途からすれば、愛読の対象となるべき書物ではないが、とにかくいる。しかも、その数は少なくないという。私もそのひとりである。』こんな出だしで始まる。

 ほとんどの幹線は制覇している著者、残るはローカル線や枝線だ。

 全線制覇のための基本的行動は、週末の勤務が終わってから、夜行列車で目的地付近まで行き、ローカル線を制覇する。国鉄のみを利用するわけではなく、タクシーを使って先回りしたり、時には飛行機まで使ってしまうようだ。そこまで目的を持った旅である。

 「阿房列車」から「時刻表2万キロ」、時代も昭和、戦後間もなくから50年代、今となっては目にすることも出来ない廃線となった路線も出てくる。

 小生も、パソコンのマップを開きながら、そのルートを確認しながら、書を楽しんだ。

 そう言えば、小生、小学生の頃、毎月、とはいかなかったが、時刻表を購入して楽しんでいた。なにが楽しいか。空想の旅行が出来ることである。乗車駅は「平駅」、そこから、「急行ときわ」や「急行いわき」に乗って、出かける。たまに、寝台列車にも乗り込む。乗り換え時間もしっかりととっておく。駅弁情報は、時刻表の欄外(確か下の方)に駅ごとに書いてある。空想の旅行なので、どこにでも行ける。タダだから。

 宮脇さんの凄いところは、全線制覇してしまったこと。最後に乗車したのは「足尾線」、今の「わたらせ渓谷鉄道」である。
 「足尾線にはわるいが、最後の一線はもうすこし情緒のある線区、たとえば、一日二往復しかない中湧別-湧別間あたりで乗り終えて夕方のオホーツク海岸ひとり感慨にふけりながら・・・・。にもかかわらず、月並みな関東地方の、しかも公害の原点などと言われる足尾となってしまった。」明らかに、全線制覇をした瞬間に、何らかの感動を求めていたようである。ただ、「足尾線にはわるいが」という行は、鉄道愛がにじみ出ている。

 来月26日は、JRのダイヤ改正。北海道新幹線が開通する。時刻表3月号、購入せねばなるまい。

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