けんきゅうきろく(と、あともうひとつ)

レアル・マドリー、リーガエスパニョーラ関係の、なんとなく気になるニュース。

フィーゴ、語る。

2005-04-21 23:10:55 | football
どうしても読みたかったフィーゴのインタビュー。ずいぶん苦しく苛立たしい状況のはずなのに、冷静で論理的な回答。自分の信念を貫いた受け答え。正直、惚れ直してます。
フィーゴのインタビューはマドリーオフィシャルはもちろんMARCA紙(12)などでも報道されましたが、この記事はASから持ってきました。長いインタビューですが、中盤ほどにあるフィーゴとASの緊迫感あふれるやり取りは…怖いけどかっこいいぞ、フィーゴ。


調子はどうですか?
良いよ。私はサッカーに関しては非常にプロフェッショナルだ。何よりも私は十分にトレーニングをしているし、要求されたことには応え命を捧げる。その意味では何の問題もない。

マドリーが契約延長のテーブルにつかないだろうということをわかっていると思いますが?
私は契約を延長したいと言ったことはない。状況はこのとおりで、あなたたちが思いをめぐらせてるに過ぎない。私は真実しか言わないし、真実は我々の契約は2006年で終わるということだけだ。プロフェッショナルとして、2006年までは彼らは私に何も言わないし、我々はそれに従う。

その感覚は、契約延長の見込みがないということですか?
私は見込みがないともなんとも言っていない。私はプロフェッショナルであり、私の意思は契約を全うすることにある。私が望むのはクラブの役に立つことだけだ。この瞬間にクラブが同じことを考えていなければ、我々は話し合う必要があるだろう。私はどんな問題も起こしたくない。マドリーに来てからの私の態度は模範的であったろうし、2006年の6月30日までも同様だ。

将来のことを(クラブ側から)告知させる期間を設けてありますか?あるいはいつまでに告知して欲しいとか。
私は期間を設けたりしない。契約は全うするためにある。サインした場合、クラブが契約を最後まで終わらせたくないとする可能性が常にある。その場合にはクラブはそれを了解し、私と話しあわなければならない。それだけだ。

現在のクラブによるあなたの扱いをどう思っていますか?
プロフェッショナルなやり方だ。それが正しいかどうかは私はわからない。それは彼らに聞く必要があるだろう。私は私のやるべきことをするし、既にそうしている。

ルシェンブルゴが試合であなたをサブにおくことについて説明がないのは苦になりませんか?
私は説明を求めたことはない。監督が私を悩ましたりすることもない。コミュニケーションをとることと説明をすることは違う。まったく違うものだ。プレイしていたときも、現在のプレイできないときでも、説明を欲しいと思ったことはない。それでも価値がある唯一のことは、プレイするかしないかを決める人から知ることだ。プレスにではなく私に知らせて欲しい。私は誰かと議論するつもりはない。結局のところ自分がプレイしないのなら、プレイする人に敬意を払う。しかし私がプレイしないことをプレスに伝えたのに私に知らせないということについて、私に言って欲しいと言うのは論理的だろう。ピッチの中では非常に敏感になることではないが、私は誰ともどんな種類の議論もしたくはない。

現在サブであることについて、純粋にスポーツ上の問題だと思いますか、それともクラブでの状況の問題だと思いますか?
これは技術的な問題だと思うし、そう思いたい。なぜなら他のどんな理由もふさわしくないからだ。そう信じている。これが単に監督だけの決断であってほしいと願っている。

何か疑いはありますか?
疑ってはいない。しかし私のような人間はそれを決定する立場にない。それが100%論理的かはわからない。

会長との関係は今疎遠なのでは?
私にはわからないことだ。しかし私と会長の関係は、プレイすることしないことと関係はない。私は自分のするべきことをするためにここにいる。そして私を出場させるか否かの決定を尊重する。それ以上のことはない。プロフェッショナルなものから離れた関係なら、選手の状況になんら影響するものではない。

あなたは受け取っているもの以上のことをクラブに対してしていると思いますか?
私はできることをする。私にはそうすることしかできない。受け取っていようがいなかろうが、それは私の問題だ。あなた方に関係はない。

クラブとは何か話しましたか?
誰とも話していない。なぜなら私には契約があり、クラブを尊重しているからだ。その意味でクラブに何か考えがあれば、最初に話すべきなのは会長だ。私はこれまでそうしてきたし、これからも常にそうする。何の変化もない。私は笑えるようなことを言ったりしないが、少なくとも私は間違えたことを言ったりしないようにしている。

現在チームでプレイできない原因を自己分析できますか?
彼らが私を出場させない理由は私にはわからない。私が思うに、私が良くなかったからではないか。そう思う。私の態度自体は、常に同じだ。

もし残りの6節でもフィーゴが控えであるのなら、この6月にチームを離れることを考えるでしょうか?
あなたがたはAS紙、そうだね?

そうです。
あなた方の新聞におめでとうを言わないといけないね、あなたたちが私を遠ざけたのだから。いいキャンペーンだったよ、ユーベ戦からあなたたちが私にしてきたことは(*1)。あなたたちは少なからぬ意見を変えさせることができたと信じているよ。あなたたちに言うことがある。私の将来は私が決める。私を引退させたがっているあなたたちの仲間には残念なことにね。私の将来は私とクラブの一致した決定による。しかし私の望みはクラブの役に立ちたいということだ。クラブが私が使えないと感じたときから、私がここでできることはない。違うか?私がクラブの要求に答えられなくなったら、彼らは私にそう言うだろう。単純なことだ。人生は続いていくし、フットボールも続いていく。

バルサ戦でサブだったのは特別辛かったのでは?
私はプロフェッショナルだ。私は常にプレイする、なんてサインはしていない。監督が誰がプレイするかを決定し、私はそれを尊重する。私は十分に彼の決定を尊重したと信じているし、出場した選手たちのプレイも尊重している。がっかりしたことは、そのやり方だ。私は説明を求めなかった。ただプレスにではなく私とコミュニケートをとるのが論理的なことであると信じている。

もしマドリーを離れたいとしたら、クラブは自由契約にしてくれると思いますか?アラブ・エミレーツのオファーがあるようですが…
こういう仮定をしてみよう。私があと2年、2007年までハイレベルでプレイするとわかっているとしたら?どうする?

ポルトガル代表への復帰を既に決めたそうですが?
いや、それはポルトガルのプレスとする話題だ。

自分がサブであることをプレスから知ったとおっしゃいましたが、非公開練習でルシェンブルゴはあなたに控え用のビブスを渡しましたが。
あのときビブスを配ったのは…なんだって?私は自分がサブであることをプレスから知った。だがそれだけのことだ。なんで青と白のビブスの意味の違いが、あなたたちにわかるんだ?

でも現在チームにとって悪いことはないわけですが…(*2
それは私も嬉しいよ。チームは勝っており、我々は落ち着いている必要がある。なぜなら我々は必死で戦わなければならないからだ。最も重要なことは、我々がチャンピオンになれるかどうか知るためには、チームもクラブも落ち着きを持たなければいけないということだ。物事がうまく機能していて、私は喜んでいる。私を引退させたがっている人はたくさんいるけれど、彼らはもうしばらく待たなければいけないね。

この状況を予測していましたか?
少しは、そうだね。フットボールがどういうものかわかっていれば、少しはね。

ポルトガル代表への復帰が、マドリーでの継続につながるのでは?
疲労していた、だから代表を離れた。少し消耗していたし、所属するクラブのために自分を捧げるつもりだった。今は、プレイしていないのだから考えが変わっている。

マドリーでのあなたの時代は尽きたと感じますか?
もしクラブが望むなら私は有用であることができると感じている。もしそうでないなら、私は厄介者になりたくはない。私は10分間プレイするような選手ではない。もし私がクラブにとって有用でないなら、そうすることは私にとってベストではないということだ。

ではオーウェンは?
私が秘密兵器のような選手ではない、ということを言っている。10分間だけプレイするような特性は持っていないんだ。

あなたもでしょうが、誰もそうではないと思います。
論理的だな。だからだよ。私が有用でありたいというのは論理的なことだ。プレイできないほかの選手たちすべてと同じようにね。

あなたとテシェイラ(アシスタントコーチ)の間にあったこと(*3)をはっきりさせたいのですが?
今となっては何の意味もないことだ。過失はあるものだ。映像では悪いのは私だった。意味のないことだ。

リーガをどのように見ますか?
困難だが可能性はある。6試合も残っていれば、全てのことが起こりうる。この何試合かで不安は解決しただろう。勝たねばならないということはプレッシャーだ。それだけが価値のあることなのだから。

エトオの言葉(*4)をどう見ましたか?
私は他の人間の言葉を判定したりしない。彼は偉大な選手であり、あらゆる賛辞に値する。言ったことについては私のあずかり知らぬところだ。

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*1:ユーベ戦でCLから敗退後、AS紙は戦犯探しを展開。「出て行くギャラクティコは3人、フィーゴに…」なんて感じのキャンペーンをねちっこくやっていた。
*2:よくわからなかったところですが、チームは悪い状態ではない→メンバー変更はしないだろう→フィーゴはベンチスタートのはずだ、ということではないかと。
*3:レバンテ戦前の非公開練習で、フィーゴは渡された紅白戦用の青ビブスを受け取ろうとしなかった。この紅白練習は先発控え取り混ぜたもので、結局フィーゴは黄色のビブスでプレイした。
*4:おそらくはクラシコ後のエトオのちょっと大人気ないコメントのことかと。こちらを参照のこと。


追加:オフィシャルで日本語訳されてました。なんだもー、がんばって損した。ところどころ間違い、勘違いしているところがありますが、その場合はオフィシャルを信用してください。もっともさすがにオフィはAS紙とのやり取りは載せてませんね。

冷静で論理的と書きはましたが、繰り返し「プレスにではなくまず自分に言ってくれ」としているのは胸を打ちます。がんばれ、がんばれフィーゴ。