ミドリ色の屋根は永遠に~René Simardに首ったけ~

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”ミドリ色の屋根”仏語詞を考える

2007年03月17日 | ミドリ色の屋根

 過去ログ「”ミドリ色の屋根”を仏語で歌おう」が『知恵袋』で取り上げられたことは、前回の記事で紹介いたしました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210938187
 訳詞が良くできているとの評価に気を良くしていた私ですが、読み直して気付きました。サビの部分の中盤が直訳のままで、意味を深く考えずにいたことに・・・・★

 現在、YouTube映像で、第3回東京音楽祭世界大会の最終決勝と、26才の時に出演した日本の番組の映像が見られますが、その部分のルネの振りを見ると、やはり訳詞を書き換えねばならないと思いました。
 まずは「ミドリ色の屋根」を日本語と仏語で歌うルネの映像をご覧いただいてから、本題に入りたいと思います。

※第3回東京音楽祭世界大会の最終決勝で歌う13才のルネ
 RENE SIMARD-ルネシマール-緑色の屋根 - Bing video
♪「今夜だけ!復活 栄光のアイドルスター達」に出演した26才のルネ
 René Simard de 26 ans - YouTube

♪あの人は今?(10年以上前だけど・・・);ルネ・シマール René Simar - YouTube


       ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 ミドリ色の屋根」の仏語版”Non ne pleure pasは、カナダのレコードに歌詞カードがないため、インターネットで調べると、歌詞が微妙に違っていることは、以前過去ログで取り上げました。
 しかし、映像の口の動きを見ると、私が紹介した

シャントゥ オ クール ドゥ ト ナンファン
Chante au coeur de ton enfant
(僕の心に歌ってよ:直訳「あなたの子供に歌って」)

が正しいと確信いたしました。
※過去ログ「仏語版「ミドリ色の屋根」3つの歌詞の謎 」参照


 そして、問題のサビの部分です。今回訳詞を変えようと思ったのは赤字の部分です。何の疑問も持たず、直訳で「太陽 青空 春 僕の心に歌ってよ」と訳しています。村井邦彦氏の曲にカナダの作詞家が、日本語の歌詞の内容を大きく変えないようにしながら作ったので、語呂合わせ的な部分もあるだろうと思い込んでいた所もありますが、ルネの振りを見ると、そうではないと気付いたのでした。

ノン ヌ プルール パ
Non ne pleure pas
ジュ シュイ ザ テ コテ
Je suis a tes cotes
ノン ヌ プルール パ
Non ne pleure pas
ジュ ヴェ テメ
Je vais t'aimer
ル ソレイユ ル シエル ブルー ル プランタン
Le soleil le ciel bleu le printemps
シャントゥ オ クール ドゥ ト ナンファン
Chante au coeur de ton enfant
トゥワ エ ムワ ヌ レストゥロン
Toi et moi nous resterons
ダン ノートゥル メゾン
Dans notre maison
<訳詞>
Non 泣かないで
僕がそばにいるよ
Non 泣かないで
僕が愛しているから

太陽 青空 春
僕の心に歌ってよ

ママと僕 僕たちはこの家に残るんだ

※過去ログ「”ミドリ色の屋根”を仏語で歌おう 」参照

 ルネの歌の振りを見て訳詞をどう変えたいと思ったのか、また、訳詞のどこがどう違うのか、ということですが、何故「太陽」と「青空」と「春」がいきなり出てくるのか?・・・・ということを考えたら、自ずとその答えが見えてきたのでした。
 私は最初、あなたの子供(ton enfant)だから、「心に歌って」と呼びかけているのはママだと思い込んでいました。ですから、「太陽 青空 春」も直訳のままでした。

 しかし、ルネは手を広げて天を仰いで歌っています。キリスト教では、神に向かって、自分のことを「あなたの子」と表現することがありますが、それと同様で、太陽と青空と春に呼びかけているのだと思うのです。明るく、広く、暖かく、希望に満ちあふれた象徴の3つのものに、また、それを創造した神自身に、自分が今の境遇に挫けないように力づけて下さいと!母を支えて生きていけるように、僕たちを守って下さいと。

 また、2番の歌詞でも「戸をたたく風」と「暖炉の中の薪」が唐突に出てきます。これもサビの部分と同様なのだと思ってノー・チェックでした。こちらも、これを機会に書き換えたいと思います。

 ただし、文法的に言うと、tonは親しい人や目下の時に使う所有形容詞なので、この呼びかけは母に対するものなのかも知れませんが、太陽や青空や春は身近なものなので、親しみを込めてtonを使っているとも考えられます。今回は、太陽等に呼びかけているという設定で訳詞を書き換えてみます。


 この曲は、安易に「暗い」と表現されることが多々あります。しかし、「悲しい」、「切ない」だけでなく、「優しさ」や「心の強さ」、これから母を支えて2人で生きていこうとする「決意」が歌われている曲なのです。

 そう思って、もう一度「ミドリ色の屋根」と”Non ne pleure pas”をお聴きになっていただきたい。情感を込めて歌うルネの表情や振りが、何を表現し、何を語ろうとしているのかが、きっとご理解いただけると思います。そして、きっと、新たな感動があなたの心に湧いてくることでしょう。


 前述のことを加味して書き変えた歌詞は次のとおりです。



         泣かないで

              作曲:村井邦彦  作詩:M.コレ

ママは窓辺で見つめてる
今朝からずっと泣きながら
希望を持とうよ
パパがまた戻ってくると

パパは何も言わずに行ってしまったね
僕たちは二人だけで残されたんだ
外では木の葉が色づき始めた
幸せな秋の昼下がり

Non 泣かないで
僕がそばにいるよ
Non 泣かないで
僕が愛しているから
太陽よ 青空よ 春よ
僕の心に歌っておくれ
ママと僕 僕たちはこの家に残るんだ

戸をたたく風よ
暖炉の中の薪よ
ささやいておくれ 慰め力づけてくれた歌を
パパはママのことを忘れているよ

Non 泣かないで
僕がそばにいるよ
Non 泣かないで
僕が愛しているから
太陽よ 青空よ 春よ
僕の心に歌っておくれ
ママと僕 僕たちはこの家に残るんだ

この家に・・・・
そして ずっとママのそばにいるからね

コメント
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