初めて、隣の家のインターフォンを押した。しばらく押してみたが、返答がない。今日は土曜日。学校だろうか?それともバイト?
「しつこくインターフォンならしてる音がするから、何かと思っら・・・・・・、奥さんでしたか」
後ろから声をかけられた。振り向かなくても相手は分かった。煙草臭い階下の男だ。
「あなたには関係ないでしょう」
振り向いて睨み付けると、男が驚いたように目を瞠った。
「それ、まずいでしょ」
「は?何が?」
意味が分からない。男は慌てたように言葉を続けた。
「まずいですよ、どう考えても」
「だから何が!」
イライラのまま怒鳴りつけると、男は私のお腹のあたりを指さした。
「だから、それ。その赤ちゃん」
「は?」
何を言って……赤ちゃん?
「その赤ちゃん、アレの卵が付いてますよ」
「卵?」
何を言っているのか分からない。分からないけれど……不安が胸に迫ってくる。
「遠回しに言わないでハッキリ言って」
自分が涙目になっていることが分かった。男は同情するようにため息をついた。
「奥さん、ベランダに住み着いていた奴と、どういう契約を結んだんですか?」
「契約……?」
意味が分からない。
「奴の狙いはあなたの精気でしょう? 奥さん、どんどん痩せていくから心配してたんですよ。その上、赤ちゃんにまで卵を植え付けられるなんて……。いったい奴とどんな契約を結んだんですか?」
何の話? 契約? だって、私は……。
私は、ただ、彼を……。
「奥さん!」
男の叫び声を遠くの方で聞いた。私は気を失ったのだ。
「しつこくインターフォンならしてる音がするから、何かと思っら・・・・・・、奥さんでしたか」
後ろから声をかけられた。振り向かなくても相手は分かった。煙草臭い階下の男だ。
「あなたには関係ないでしょう」
振り向いて睨み付けると、男が驚いたように目を瞠った。
「それ、まずいでしょ」
「は?何が?」
意味が分からない。男は慌てたように言葉を続けた。
「まずいですよ、どう考えても」
「だから何が!」
イライラのまま怒鳴りつけると、男は私のお腹のあたりを指さした。
「だから、それ。その赤ちゃん」
「は?」
何を言って……赤ちゃん?
「その赤ちゃん、アレの卵が付いてますよ」
「卵?」
何を言っているのか分からない。分からないけれど……不安が胸に迫ってくる。
「遠回しに言わないでハッキリ言って」
自分が涙目になっていることが分かった。男は同情するようにため息をついた。
「奥さん、ベランダに住み着いていた奴と、どういう契約を結んだんですか?」
「契約……?」
意味が分からない。
「奴の狙いはあなたの精気でしょう? 奥さん、どんどん痩せていくから心配してたんですよ。その上、赤ちゃんにまで卵を植え付けられるなんて……。いったい奴とどんな契約を結んだんですか?」
何の話? 契約? だって、私は……。
私は、ただ、彼を……。
「奥さん!」
男の叫び声を遠くの方で聞いた。私は気を失ったのだ。