「気味が悪いのよ。下の階の人」
いつもの情事の合間に話してみると、彼は「何が?」というように首をかしげた。
「私が川べり歩いて帰ってくると、必ずベランダからこっちをみてるの。逆に、こっちがお布団干したりしてると、川べりのベンチに座ってこっちを見上げてるし。毎日家にいるみたいだけど、何やってる人なのかしら」
すると彼は、ああ、と肯いた。
「あの人、漫画家らしいよ。引っ越してきた時に管理人さんにそう言ってたのきいた」
「え、そうなの?」
では、家にずっといてもおかしくない。こちらをぼんやりみているのも、何かアイデアを考えていたのかも知れない。そう思ったら、自分が見られている錯覚に陥っていたことが恥ずかしくなってきた。
そう言うと、彼はいやいや、と首を振った。
「分かんないよ~。狙われてるのかもしれないじゃん。今も、下からボク達の声を盗み聞いてたりしてね」
「まさかあ」
このあたりは、すぐ近くを大きな道路が通っているので、ひっきりなしに車の音が鳴り響いている。よほど大きな声で話さない限り、下までは聞こえないはずだ。
「今の姿、盗撮とかされてたらヤバイよね~。清楚な奥様が、隣の家の大学生の上に馬乗りになってるんだもん」
「洋服来たままだから、何してるかなんて分からない……、ちょ、まだ休憩させてっ。動かさないでっ」
しばらく挿入したまま話をしていたのに、まったく衰えていないのは若さなんだろうか。
「全然萎えてないんだ?」
「うん。だって下から見るお姉さん、すっげー色っぽいんだもん。興奮しっぱなし」
「本当に?」
何だか嬉しくて、顔がにやけてしまう。すると彼がポンと手を打った。
「ねえ、お姉さんが気持ちいいように動いてみてよ」
「ええ?!気持ちいいようにって……」
「お薦めは、前をこすりつける感じ」
「前をこすりつける?」
よく分からないけれど、言われるまま体重を前よりに動かしてみた。
「あ…………」
頭のてっぺんに電流が走る。
「あ、ボクもそれキモチイイ」
「本当に?」
一回、二回、三回、と上下左右に揺らしてみる。その都度、心臓がギュッとなる場所に当たる。
「すっげー……いい感じ……」
彼が目を細めて、ロングスカートをたぐり上げ、太股のあたりをまさぐってきた。敏感に反応して震えがくる。
「うわ、引き締まった。あいかわらず感度いいね、お姉さん……」
「ん……」
軽口に返せる余裕がなくなってきた。絶頂に近づいてきているのが分かる。
「イキそう……」
自分が主導権を握って絶頂を迎えるのは初めてだ。彼のモノが熱く大きく感じられる。彼の綺麗な顔が、苦痛と快楽にゆがめられるのを見ると、ますます奮い立たされて、腰の動きが激しくなってしまう。
このまま、続けたい。今なら、イケる。イカせられる。
「…………くうっ」
思わず大きく息を吐き出した。同時に彼も「ああ」と小さく声を漏らした。
「イった……」
心臓の動きが服の上からでも分かるくらい早くて強い。息が整うのを待ってからゆっくり引き抜くと、ドロリ、と繋がっていた部分から液体が流れ出た。
「中に出しちゃった」
彼が小さく舌をだす。
「大丈夫。どうせできないから」
軽く首を振ってみせる。
結婚して約一年、避妊せずに週に一度はSEXをしているのだが、子供ができたことはない。私が出来にくい体質なのかもしれない。極度の生理不順なのだ。子供好きな夫は、今すぐにでも子供が欲しいらしく、二人で検査に行きたいようなのだが、お互い仕事が忙しいため、結局そのままになっている。
「あ~気持ちよかった。旦那さんもやってもらえばいいのに」
真剣に言われて、笑ってしまった。
「夫が相手じゃ無理だよ。君が相手だから何も考えずにできたけど……」
言いかけて、気がついた。彼と一緒にいる時の自分は最も解放されている。
彼の腕の中はこの上もなく居心地が良い。
いつもの情事の合間に話してみると、彼は「何が?」というように首をかしげた。
「私が川べり歩いて帰ってくると、必ずベランダからこっちをみてるの。逆に、こっちがお布団干したりしてると、川べりのベンチに座ってこっちを見上げてるし。毎日家にいるみたいだけど、何やってる人なのかしら」
すると彼は、ああ、と肯いた。
「あの人、漫画家らしいよ。引っ越してきた時に管理人さんにそう言ってたのきいた」
「え、そうなの?」
では、家にずっといてもおかしくない。こちらをぼんやりみているのも、何かアイデアを考えていたのかも知れない。そう思ったら、自分が見られている錯覚に陥っていたことが恥ずかしくなってきた。
そう言うと、彼はいやいや、と首を振った。
「分かんないよ~。狙われてるのかもしれないじゃん。今も、下からボク達の声を盗み聞いてたりしてね」
「まさかあ」
このあたりは、すぐ近くを大きな道路が通っているので、ひっきりなしに車の音が鳴り響いている。よほど大きな声で話さない限り、下までは聞こえないはずだ。
「今の姿、盗撮とかされてたらヤバイよね~。清楚な奥様が、隣の家の大学生の上に馬乗りになってるんだもん」
「洋服来たままだから、何してるかなんて分からない……、ちょ、まだ休憩させてっ。動かさないでっ」
しばらく挿入したまま話をしていたのに、まったく衰えていないのは若さなんだろうか。
「全然萎えてないんだ?」
「うん。だって下から見るお姉さん、すっげー色っぽいんだもん。興奮しっぱなし」
「本当に?」
何だか嬉しくて、顔がにやけてしまう。すると彼がポンと手を打った。
「ねえ、お姉さんが気持ちいいように動いてみてよ」
「ええ?!気持ちいいようにって……」
「お薦めは、前をこすりつける感じ」
「前をこすりつける?」
よく分からないけれど、言われるまま体重を前よりに動かしてみた。
「あ…………」
頭のてっぺんに電流が走る。
「あ、ボクもそれキモチイイ」
「本当に?」
一回、二回、三回、と上下左右に揺らしてみる。その都度、心臓がギュッとなる場所に当たる。
「すっげー……いい感じ……」
彼が目を細めて、ロングスカートをたぐり上げ、太股のあたりをまさぐってきた。敏感に反応して震えがくる。
「うわ、引き締まった。あいかわらず感度いいね、お姉さん……」
「ん……」
軽口に返せる余裕がなくなってきた。絶頂に近づいてきているのが分かる。
「イキそう……」
自分が主導権を握って絶頂を迎えるのは初めてだ。彼のモノが熱く大きく感じられる。彼の綺麗な顔が、苦痛と快楽にゆがめられるのを見ると、ますます奮い立たされて、腰の動きが激しくなってしまう。
このまま、続けたい。今なら、イケる。イカせられる。
「…………くうっ」
思わず大きく息を吐き出した。同時に彼も「ああ」と小さく声を漏らした。
「イった……」
心臓の動きが服の上からでも分かるくらい早くて強い。息が整うのを待ってからゆっくり引き抜くと、ドロリ、と繋がっていた部分から液体が流れ出た。
「中に出しちゃった」
彼が小さく舌をだす。
「大丈夫。どうせできないから」
軽く首を振ってみせる。
結婚して約一年、避妊せずに週に一度はSEXをしているのだが、子供ができたことはない。私が出来にくい体質なのかもしれない。極度の生理不順なのだ。子供好きな夫は、今すぐにでも子供が欲しいらしく、二人で検査に行きたいようなのだが、お互い仕事が忙しいため、結局そのままになっている。
「あ~気持ちよかった。旦那さんもやってもらえばいいのに」
真剣に言われて、笑ってしまった。
「夫が相手じゃ無理だよ。君が相手だから何も考えずにできたけど……」
言いかけて、気がついた。彼と一緒にいる時の自分は最も解放されている。
彼の腕の中はこの上もなく居心地が良い。