すみません。再録です。
2017年4月4日投稿「現実的な話をします8」の「おまけ」のみ。
「おまけ」の話、探すのが面倒なので短編として抜き出してます
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高校2年生時代、慶・浩介・溝部・山崎・斉藤の5人で仲良しグループでした。
明るい超美少年・渋谷慶、天然優等生・桜井浩介、お調子者でクラスの盛り上げ役溝部祐太郎、地味で大人しい山崎卓也、極々普通の青春謳歌している斉藤健一。
南ちゃん腐女子フィルターにはどう映っていたのかというと……
高校時代から四半世紀過ぎた今年のお正月。
浩介&慶カップルは、元旦は浩介実家へ。二日は、溝部と鈴木さん(←溝部が片想い中)とのデート?の付き添いの後、慶実家へ行きました。
【慶視点】
今年の正月は、一日は午後から夜まで浩介の実家で過ごした。
最近、本格的に浩介とご両親との仲は改善されてきたし、実家にいる間、浩介も楽しそうにしていたので、良い傾向だと思いきや、
「疲れた……しばらく実家はいい……」
マンションに帰ってきて早々、そういってベタベタくっついてきたところをみると、相当無理をしていたらしい。今年は泊まりに……なんて思っていたけれど、それはまだハードル高いだろうか。日本に帰ってきて2年。同じ轍は踏まない。急がない。少しずつ、少しずつ、一緒に歩み寄っていければいい。
二日は朝から、溝部と鈴木と鈴木の息子の陽太君と一緒に出掛けた。中華街で肉まんを食べ、山下公園の氷川丸でお餅を食べ、海沿いをずっと歩いてみなとみらいに出て、食事をして遊園地で遊んで買い物をして……まるでデートだった。
「ちょっと、いい感じになってきたよね?」
その後移動したうちの実家で、浩介が嬉しそうに言った。
「途中からあの二人、横並んで歩くこと増えてたし」
「まあ、そうだな」
「うまくいってくれるといいなあ……」
「何が?」
コーヒーを置いてくれながら、妹の南が言う。
今日は、南と南の娘の西子ちゃんも実家にきている。椿姉とその旦那の近藤先生ももうすぐ到着する予定だ。
「高校の同級生の溝部と鈴木さん」
「鈴木さんって、女子バレー部の部長だった鈴木さん?」
「知ってるのか?」
南は同じ高校の一学年下に在籍していた。
「知ってるよー。超カッコよかったもん。うちのクラスの女子でもバレンタイン渡した子いた」
「あ、そうだよね。女子からモテてたよね」
「え、そうなのか?」
知らなかった、というと、「覚えてないだけでしょ」と浩介に突っ込まれた。否定できない……。正直高校の頃のことなんて、断片的にしか覚えていないのだ。
うーん……と思い出そうと唸っている横で、
「なーんだ、溝部さん、そうなんだ……。がっかり」
「? 何ががっかり?」
いきなり南が残念そうに言うので首をかしげる。と、南が肩をすくめて言った。
「いやー、山崎×溝部推しとしては、やっぱりガッカリですよ」
「…………」
…………。
なんだそりゃ。
と、浩介がきょとんと返した。
「え、山崎、もう結婚したよ?」
「え?! マジですか?! そういうことは早く言ってよ、浩介さん!」
だから、なんの話だ……。ハテナだらけのおれをおいて、2人、普通に話を続けてる。
「なんだよー、一年半くらい前だっけ? 二人のマンションで撮ったっていう写真には、まだまだラブラブで写ってたのにー」
「あー、あの後に色々あってね……」
「まあでも、結婚しても、そこから膨らむ妄想はありますが……」
…………。
だからなんの話だ……。
いや、いい。世の中には知らない方がいい話もある……。
「慶?」
「お兄ちゃん?」
立ち上がったおれを見上げた二人に手を振って、台所に避難する。
(………まあ、いいか)
浩介が楽しそうだから、いい。昔から浩介と南はわりと仲が良い。妹が欲しかったという浩介にとって、南は妹みたいなものなのだろう。
「あけましておめでとうございまーす」
しばらくして、玄関からにぎやかな声が聞こえてきた。椿姉と近藤先生だけかと思いきや、娘の桜ちゃん一家も一緒に来たようだ。
「いらっしゃーい」
浩介と一緒にみんなを出迎えながら思う。
今年もまた、こうして笑顔で過ごせればいい。
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お読みくださりありがとうございました!
南ちゃん、腐女子です。強気受け好き。山崎×溝部、と高校の時から思っていたらしい。
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「風のゆくえには」シリーズ目次 → こちら
「現実的な話をします」目次 → こちら
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「おまけ」の話、探すのが面倒なので短編として抜き出してます
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高校2年生時代、慶・浩介・溝部・山崎・斉藤の5人で仲良しグループでした。
明るい超美少年・渋谷慶、天然優等生・桜井浩介、お調子者でクラスの盛り上げ役溝部祐太郎、地味で大人しい山崎卓也、極々普通の青春謳歌している斉藤健一。
南ちゃん腐女子フィルターにはどう映っていたのかというと……
高校時代から四半世紀過ぎた今年のお正月。
浩介&慶カップルは、元旦は浩介実家へ。二日は、溝部と鈴木さん(←溝部が片想い中)とのデート?の付き添いの後、慶実家へ行きました。
【慶視点】
今年の正月は、一日は午後から夜まで浩介の実家で過ごした。
最近、本格的に浩介とご両親との仲は改善されてきたし、実家にいる間、浩介も楽しそうにしていたので、良い傾向だと思いきや、
「疲れた……しばらく実家はいい……」
マンションに帰ってきて早々、そういってベタベタくっついてきたところをみると、相当無理をしていたらしい。今年は泊まりに……なんて思っていたけれど、それはまだハードル高いだろうか。日本に帰ってきて2年。同じ轍は踏まない。急がない。少しずつ、少しずつ、一緒に歩み寄っていければいい。
二日は朝から、溝部と鈴木と鈴木の息子の陽太君と一緒に出掛けた。中華街で肉まんを食べ、山下公園の氷川丸でお餅を食べ、海沿いをずっと歩いてみなとみらいに出て、食事をして遊園地で遊んで買い物をして……まるでデートだった。
「ちょっと、いい感じになってきたよね?」
その後移動したうちの実家で、浩介が嬉しそうに言った。
「途中からあの二人、横並んで歩くこと増えてたし」
「まあ、そうだな」
「うまくいってくれるといいなあ……」
「何が?」
コーヒーを置いてくれながら、妹の南が言う。
今日は、南と南の娘の西子ちゃんも実家にきている。椿姉とその旦那の近藤先生ももうすぐ到着する予定だ。
「高校の同級生の溝部と鈴木さん」
「鈴木さんって、女子バレー部の部長だった鈴木さん?」
「知ってるのか?」
南は同じ高校の一学年下に在籍していた。
「知ってるよー。超カッコよかったもん。うちのクラスの女子でもバレンタイン渡した子いた」
「あ、そうだよね。女子からモテてたよね」
「え、そうなのか?」
知らなかった、というと、「覚えてないだけでしょ」と浩介に突っ込まれた。否定できない……。正直高校の頃のことなんて、断片的にしか覚えていないのだ。
うーん……と思い出そうと唸っている横で、
「なーんだ、溝部さん、そうなんだ……。がっかり」
「? 何ががっかり?」
いきなり南が残念そうに言うので首をかしげる。と、南が肩をすくめて言った。
「いやー、山崎×溝部推しとしては、やっぱりガッカリですよ」
「…………」
…………。
なんだそりゃ。
と、浩介がきょとんと返した。
「え、山崎、もう結婚したよ?」
「え?! マジですか?! そういうことは早く言ってよ、浩介さん!」
だから、なんの話だ……。ハテナだらけのおれをおいて、2人、普通に話を続けてる。
「なんだよー、一年半くらい前だっけ? 二人のマンションで撮ったっていう写真には、まだまだラブラブで写ってたのにー」
「あー、あの後に色々あってね……」
「まあでも、結婚しても、そこから膨らむ妄想はありますが……」
…………。
だからなんの話だ……。
いや、いい。世の中には知らない方がいい話もある……。
「慶?」
「お兄ちゃん?」
立ち上がったおれを見上げた二人に手を振って、台所に避難する。
(………まあ、いいか)
浩介が楽しそうだから、いい。昔から浩介と南はわりと仲が良い。妹が欲しかったという浩介にとって、南は妹みたいなものなのだろう。
「あけましておめでとうございまーす」
しばらくして、玄関からにぎやかな声が聞こえてきた。椿姉と近藤先生だけかと思いきや、娘の桜ちゃん一家も一緒に来たようだ。
「いらっしゃーい」
浩介と一緒にみんなを出迎えながら思う。
今年もまた、こうして笑顔で過ごせればいい。
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お読みくださりありがとうございました!
南ちゃん、腐女子です。強気受け好き。山崎×溝部、と高校の時から思っていたらしい。


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