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映画 『サウンドシティ リアル・トゥ・リール』 Sound City~ Real to Reel

Sound City -Real To Reel 字幕付き予告


サウンド・シティ - リアル・トゥ・リール [DVD]
クリエーター情報なし
SMJ(SME)(D)



買ったままほったらかしだったDVD、映画「サウンドシティ」をやっと見ました。

公式サイト

見てびっくりしたのは、意外とリック・スプリングフィールドのパートが多かったこと。

この映画を見て初めて知ったのですが、録音スタジオ『サウンドシティ』を経済的に支えたアーティストは3組いて、初期がフリートウッド・マック、中期がリック・スプリングフィールド、後期がニルヴァーナだったのです。
そりゃ多いわけだよな。。。もっと早く見ればよかった。


サウンドシティという録音スタジオは、数々のロックの名盤が録音された場所で、カルフォルニア、ロサンゼルスのバレー地区にありました。
アナログにこだわった伝説のスタジオで、昨今のデジタル化の波に逆らえず2011年に惜しまれつつも閉鎖されましたが、ここで多くのプラチナアルバムが誕生しています。


このスタジオから多くのプラチナディスクが生まれたのは、、、いろいろな魔法が作用したから。
二―ヴのコンソールシステム、ドラムの響きがなぜか最高のスタジオ、2人のオーナー、素晴らしいスタッフ、、、、そしてどういう運命の引き合わせなのか、ここで録音しようと思ったアーティストたち。。。。

わたしはサウンドシティについては名前をライナーノーツで見た程度だったのですが(どちらかと言うと、サンセットサウンドとサウンドファクトリーズのほうが馴染み深いです)、、、映画を見て「ああそうだ、あれもこれもどれもそれも、、、ここで録音したんだ・・・・」とちょっと茫然と言いますか、なんだろうなあ、ノスタルジーと言うか。。。
リックはもちろんですが、フォリナーやREOスピードワゴン、パット・ベネター、トム・ペティ&ハートブレイカーズ、フリートウッドマック、それにラウドネスのアルバムジャケットなんかが次々に画面に現れるのを見ていると、心境がまるで「ニューシネマパラダイス」のラストシーンを見ているあの感じになって。

ちょっとうるうるしつつも、すごーくわくわくして。

これは40代以上の音楽ファンにはたまらないんじゃないかなあ。

ただまあ、サンセットサウンドみたいに超メジャー級から手広くやってるところ(ディズニーとかの音楽も録ってるからね)と比べると、圧倒的にロックに偏ってるから、ロックに興味が無い人にはその手のノスタルジーに浸る部分はないかもしれません。
ですが、これまで音響とか録音とかオーディオ機器関係に興味が無い人はおそらく知らなかったであろう、レコーディングの技術的な部分はドキュメンタリーとしてとても面白く描かれているから、映画そのものはちゃんと楽しめます。

映画としての出来は完璧とは言えないです。
ラスト3分の1のデイヴがスタジオ606でセッションワークしていくとことか、ポール・マッカートニーの部分とか、冗長だ、、、って思う。
最後のほうは音楽馬鹿、ロック馬鹿の内輪受け、とけなされても仕方ない出来になっちゃってる。
たぶんんこれ、きっちりかっちり撮れる監督さんが作ったら、そこを思い切ってばっさりカットするかもっと短く纏めるでしょう。
それこそ「ニューシネマパラダイス」の最初の公開バージョンね、いろいろカットされていた方みたいに『完璧』な神映画になってたかと。

でもですね。
この冗長な部分こそが、デイヴ・グロールによる、スタジオ『サウンドシティ』と音楽へのラヴレターだと思います。

この映画でも何回も触れられているように「必ずしも完璧じゃなくていい」んじゃないのかな、って思う。
愛すべき無駄な部分。ビバ・冗長!


だって、、、、その606で音楽やってる人たちの皆の顔がね、とてもキラキラしているんですもの。
子どもみたいな笑顔なんだ。なんて顔してくれるんだい、もう!

音楽は人であり、現実であり、感覚的で不完全が故の美しさを持っていることが分かったときの感情。   ―  デイヴ・グロール



パフォーミングアーツは誰だって、最高で完璧を目指してやっているけれど、時には納得いかない出来ばえのことだってあると思います。
音楽でもバレエでもスケートでもなんだってそう。
いつもいつも完璧な人はもちろん素晴らしいけど、「これが同じ人なのか?」ってくらいに出来にムラがある人だっている。
そんなムラがどうしても出てしまうけれども、最高の時はほんとに世界一だって感じる、、、そんな魅力的なアーティストたち。
彼らを応援し、信じて、ついて行くのは、彼らが『最高を求めていつだって努力している』姿を見て知っているから。
さんざんな出来栄えの時だって、それは最初から手抜きしているわけじゃーないのが、わかっているから。


って、ちょっとずれてきちゃったか、話が。


この映画には、、最高のものを求めて突っ走っていく人の熱い思いとか、愛すべき音楽馬鹿の魅力がいっぱい詰まっていて、、、わくわくするのです。


好きなアーティストやプロデューサーや映画の中で出てきた曲やアルバムについてはまた個別に取り上げたいと思います。








映画について、、、ちょっとネタバレ。。。





映画は元ニルヴァーナ、現在フーファイターズのデイヴ・グロールが、ニルヴァーナのアルバム『ネヴァーマインド』を録音するためにサウンドシティを目指した道のりを回顧する形でスタートするオープニングから。
そしてまずはスタジオ馴染みの人たちによる『汚さ自慢』・笑

不幸自慢と言うか自虐ネタと言うか、、みなさん実に楽しそうにクソミソに語っております。

 「好きか嫌いのどちらかだろうな」ジョー・バレッシ(プロデユーサー、録音エンジニア)
 「汚らしい」ブッチ・ヴィグ(プロデューサー)
 「掃き溜めさ」ケヴィン・クローニン (REOスピードワゴン) 爽やか爺になったケヴィンのお口から『掃き溜めさ』と!
 「機材も中古品ばかり」ジョシュ・オム (クイーズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)
 「まるで大昔に戻ったような感じさ」リー・ヴィング(Fear)
 「壁には古いカーペット、バンの中じゃあるまいし」ジム・スコット(プロデューサー、録音エンジニア)
 「もともと散らかり放題だから何でもアリさ」「カーペットはウイスキーのしみだらけ」 ニック・ラスクリネクス(レコード・プロデューサー)
 「汚くてイスに座る気にもなれない」リック・ルービン (プロデューサー)
 「15年ぶりに訪れたとしても何も変わってないの」 シヴォーン・オブライエン(1991年~2011年スタジオマネージャー)
 「駐車場が雨で水浸しになると廊下まで流れてきた」ポーラ・サルヴァトーレ(1981~90年スタジオマネージャー)
 「吸い殻は床に投げ捨てさ」クリス・ゴス (Masters Of Reality)

「ある程度は覚悟していたが想像以上にひどかった。
でも壁に並んだプラチナディスクの額は本物だ」   デイヴ・グロール


当時のスタジオのスナップ写真が映し出されますが、、まー、汚い、、というかボロいです。
最近テレビで紹介されるような汚部屋とか、ゴミ屋敷というような、あれはちょっと病気レベルで、そういう汚さではないんですけども、、。まあ汚いこと。

私が知っている比較対象ですと、、、、70年代後期から80年代初期の名大(名古屋大学)、、、四ツ谷通の坂の上の道沿いのフェンスから入れた(実際そうやって大学内に入ってで我々小学生は遊んでいたのです。)学生会館やサークル小屋みたいな汚さと同じ感じです。

そのあとサウンドシティと言ったらこの人とか、このアルバム、みたいに名前が挙げられていきます。
 スティーヴィー・ニックス(フリートウッド・マック)は「トム・ペティ」
 リック・スプリングフィールドは「フリートウッド・マック」
以下、、、、
 ブッチ・ヴィグ「リック・スプリングフィールド」
 ヴィニー・アピス(ドラマー)「リック・スプリングフィールド」
 ジム・ケルトナー「ニール・ヤング」
 リック・ニールセン「チープ・トリック」
 ジム・スコット 「レッド・ホット・チリペッパーズ」
 ジョシュ・オム「ロブ・ハルフォード」
 キース・オルセン「パット・ベネター」
 ケヴィン・クローニン「カンサス」
 ラース・ウルリッヒ(メタリカ)「ガンズ・アンド・ローゼズ」
 トレント・レズナー「ナイン・インチ・ネイルズ」
 ブラッド・ウィルク(レイジ・アゲインスト・マシーン)「ネヴァーマインド」
 リック・スプリングフィールド「フォリナー」
 ジョー・バレッシ「スレイヤー」
 ニック・ラスクリネクス「ラット」
 トム・ペティ「ジョニー・キャッシュ」
 マイク・キャンベル(トム・ペティ&ハートブレーカーズ)「カール・パーキンス」
 リック・ニールセン「メタリカ」
 ラース・ウルリッヒ「REOスピードワゴン」
 ポーラ・サルヴァトーレ「マイケル・マクドナルド」
 リンジー・バッキンガム(フリートウッドマック)「ミック・フリートウッド」
 ミック・フリートウッド(フリートウッドマック)「バッキンガム・ニックス」
 ケヴィンクローニン「スティーヴィー・ニックス」
 ポーラ「マスターズオブ・リアリティ」
 シヴォーン「フランク・ブラック」
 ポーラ「リック・ル-ビン」
 ????「カイアス」
 ウィーザー「ウィーザー」

そのあとはいろいろなパートがあるので、いずれまた取り上げます。
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