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2015年8月2日~世界バレエフェスティバル Aプロ


2、3日前は「どうしよう、行けなくなったらBプロのチケットどうしよう」とまで心配してましたが、ケロリと治ってしまった夏風邪。
げに、おそろしや、バレエの魔力!!!!!!


とういわけで、ずいぶん久しぶりの更新です。
もう今夜はBプロです。
は、、早い、、、、




まあなんでしょう、猛暑のせいと、7月後半の遊び過ぎ(空き時間はほぼバレエ遠征)、それから仕事本編も出張もQCも忙しくて、疲れがたまっていたんですわな。
そこへバレエフェスのAプロで、、、エアコンの冷気にやられた模様で、あっさり風邪をひきました。

夏の繁忙期を乗り切るため、仕事以外はとにかく体調を戻すために大人しくしておりました。



バレエフェスのAプロはとても素晴らしい公演でした。
なんだかんだでフェスは凄いなあと思うんですが、ここ2、3回、、、いや、2回くらいなのかなあ?
「今年は裸に短パン祭りだな」
「長いなー」
「なんちゅーか、マノンと椿姫のドロドロ系ばっかだな」
なーんて思ったり、「このダンサーならアレを観たかったよ。。。」みたいな無いものねだりみたいなツッコミも多くて
それこそ贅沢な悩みだったんですけども、


今回のAプロは割とシンプルというか、基本というか正統派というか、、、真面目路線?な感じでしょうか?
悪く言えば面白味がないけども奇策に走るより手堅い感じと言いますか。
割とあっさりさっぱり系でした。
強いて言えば、アザーダンス系が多いような?


たぶん3年後は跳ね返りというか反動というか振り子が戻るように、またけったいな感じになりそうな予感も。

あ、プログラムの座談会で「東京五輪に合わせてのなんらかのガラも開催したい」みたいなこと書いてありました。




それで、とにかくAプロですが、とても素敵で幸せな気分になれて、ツッコミどころは衣装(&フォーゲルの笑顔満開)くらい、それくらいしか文句のつけようがありませんでした。




第1部
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」

振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー

初日はあまりよろしくなかったようなお話を聞いてたのですが、2人とも普通にすごかった。
マックレーの跳躍は大変素晴らしくて、美しくてうっとり。
チャイパドって、こういう感じじゃないんだよなあ、って思うのはNYCBじゃないからなのかな。

「3つのグノシエンヌ」
振付:ハンス・ファン・マーネン
音楽:エリック・サティ
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー

よくあるアザーダンス系、その1
アイシュバルトがとても綺麗でした。


「お嬢さんとならず者」
振付:コンスタンティン・ボヤルスキー
音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アシュレイ・ボーダー イーゴリ・ゼレンスキー

ボーダーはアイシュバルトの後だとちょっとがっっちり見えてしまうのが気の毒。

これは面白かったー。
頭の中は「赤ずきんと狼」がぐるぐる回ってたけども、ちゃっかりお嬢さんのボーダーも可愛かったし、ゼレンスキーはやっぱりゼレンスキーで、、、
ワタクシ的にはゼレンスキーを観に来たようなもんなので、(って、前のガラもそうだったような気がする)踊ってくれさえすればもう、それだけで幸せなのです。

「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ

ロホってやっぱり頭がいいなあと。
どう考えても、「白鳥の湖」を彼女の体格で踊るのはそれだけでものすごいチャレンジなのに、彼女の踊りを観てしまうと誰をも「ロホ信者」にしてしまう、すごい人だと思う。
だって、連日アラシュのオディール(キトリもだけと)を観て、私はエフセーエワのことがほんとにほんとに好きなんだけども、、、「アラシュはやっぱり違う、、、これがプリマとセカンドソリストの差なのか・・・・・」って思ってたんですよね。
で、もう、脳内は、『ロシア系バレリーナの白鳥以外はもう今後見られない』くらいの状態になってて、ロホが出てきて踊りだした時も
アラシュの黒鳥ないしカラスないしイーグルみたいなこちらを睥睨するあの感覚があったから、ロホがひな鳥のように見えてしまったんですよ。
ほんと、最初は「凄いけどコレジャナイ感」ぐるぐるで。

だけども、やっぱり、観終わった後はロホってすごいわ、、、となっちゃうんだよねぇ。


レンドルフはハンサムで、、、がっしりしてて、、、、たぶんバジルとか似合いそうなんだけどもさ、、、あの衣装はなんだろうねぇ。


「フェアウェル・ワルツ」
振付:パトリック・ド・バナ
音楽:フレデリック・ショパン、ウラジーミル・マルティノフ
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ

ゲランが最高でした。思わずスタオベしたくなりました。
ルグリも最近は誰かと踊ると先生と生徒、みたいな感じになっちゃってたけど、やっぱりゲランクラスのバレリーナと踊っているときが一番素敵だと思う。
ゲランはなんと12年ぶりのカムバックらしいし、人前で踊るのは久しぶりらしいけど、そんなん嘘だろう?

泣けました。


来年オールスターバレエガラあるんですよね。
ゲラン、出てくれないかしら。



もうね、あの頃のエトワール、プラテルもゲランもルディエールも素晴らしすぎて大好きで、誰かひとりなんて選べないんだけども、、、、
ゲラン&デュポンを観ていた時のあの幸福感。。。素晴らしかったなあ。完璧な2人だったよなあ。グラン・パ懐かしいなあ。



第2部
プリセツカヤ追悼

オープニングで、第二部のところにRIPプリセツカヤってのが出て、
このフェス全体が「プリセツカヤ追悼」みたいな位置づけかなー、って思って、それならなんで最初じゃないの????って思ったんだけども、
第二部の一番初めが『第一回バレフェスの「瀕死の白鳥」の映像』って、ことなのですね。




「アザー・ダンス」
振付:ジェローム・ロビンズ
音楽:フレデリック・ショパン
アマンディーヌ・アルビッソン マチュー・ガニオ

2人ともソロはとても素敵でした。
欲を言えば、2人で踊っているときにもっと情感があればいいのになー、なんて。
会話が聞こえてくるというか、この作品て、踊っていない時の間とか、ピアノに寄り添うところとか、お互いを見つめるところとかの、何気ないようなしぐさとかも好きなので、そういうところの物語みたいなのが見えなかったのはちょっと残念で、少し眠くなってしまった。
でもマチューは最初に観たころより今のほうが好きです。



「マンフレッド」
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マチアス・エイマン

すっごく良かったんですが、頭の中を川口悠子&アレクサンドル・スミルノフのペア演技がぐるぐるしてしまって困った。


「ジゼル」
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー
音楽:アドルフ・アダン
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ

2人とも美しかったけれど、ちょっと地味というか、、、ジゼルは難しいですね。
ムンタギロフがあと5,6年、いや10歳くらい年とってからのアルブレヒトを観てみたいかも。

アルブレヒトとかロミオって、けっこう年齢のいったダンサーで観るほうが、面白いし、素敵なんですよね。



「ライモンダ」より第 3 幕のパ・ド・ドゥ

振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(プティパに基づく)
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ

3幕って、、こ、、、これだっけ??????


は、いいのです。というか、観てた時は「3幕」って思ってなかったし(ただ「ライモンダ」って感覚だった)、頭の中では
「ボリショイのライモンダ」
「マントひらり」
「姫、行ってまいります」
のあれだったのよ、始まるまで。

もう、ワタクシ的にはですね、なぜバレエフェス観るかっていうと、そりゃー、ゼレンスキーが出るよってだけでしたが、
で、実際見に来て、ゼレンスキーうはうはで、
で、おまけにゲランまで見られて感動して、
ボリショイ組がライモンダと聞いて、、、、もう本日のメイン!!!!ってくらい心の中で盛り上がっておりました。


だから、ラントラートフが出てきてマントひらりで「うおー!!!!」って心の中でガッツポーズ、、、、感覚的には伊藤みどりちゃんのカルガリーのフリー演技中のガッツポーズぐらいの勢いだったんだけどさ。

あれ???なんだあのマント????(何故白が表じゃないんだよ!)


ってか、、、なんじゃー、マーシャのあの衣装は!!!!!!
ふんわりミニスカは滅茶苦茶可愛いというかラブリーだし、ふたりともすっごくキッラキッラで、まぶしいくらいでしたが。。。




まるっきりディズニーの世界に見えてしまったのは




私だけでしょうか





心がせまいんだろうな、きっと、アタシ。




幸せそうで何よりでした。


うん、まあ、、、、踊りも笑顔もキラキラでね、、、、アダージオはやりすぎ感がなく、うんうん、こういうの、観たかったんだよね、って心の中で涙ぐんでた。
そうよ、たぶん、ロホはこのライモンダの300%ぐらい余分にいろいろてんこ盛りで(でも上品にまとめててすごいんだ)、そうよ、ロホはしれっと300%やんなきゃボリショイとかマリインスキーのクラシックには太刀打ちできないんだよなー、とか思ってさ。
ロホもいいし、でもやっぱ、マーシャは凄いよな、、、、


なんだけどもさ、ディズニーなんだよなー。いや、ディズニーは悪くない。悪くないんだが。


大昔読んだ評論家の記事で「ソ連時代にボリショイにジゼルを観に行ったら、スパタクスを上演されてたまげた」ってのがあったけど、、、それくらい、、、近いところではエフセーエワのカツラの凄かった時の衝撃というかさ、、、



まあ、フェスだし。

フェスと言えば、ラントラートフもフェス仕様というか、そこってそんなに大見得きるところなのか?ってくらいのドヤ顔というか押し出しの強さがすごかった。
一昔前の闘ってた頃のピエトラガラのようだった。





第3部
失われた純情 「いにしえの祭り」

振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:リヒャルト・シュトラウス
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ 
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ

ちょっと勘違いをしていて、「生贄の踊り」と思ってたら、スキンヘッドの軍人さん???なんだろうなあ、戦争の狂気を描いてるのかな???
とよくわからないなあと思いつつ、アッツォーニとリアブコの素晴らしさとノイマイヤーの世界を堪能しました。

後ろのレストランの閉店風景みたいなお片付けのところとか、ちーーーーーーーとも、その意味するところはちんぷんかんぷんだったけど、
でも勉強しなければわからないというもの、これまた好きですよ。


 
「シンデレラ」
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

まさかのアダージオのみでしたが、甘くてキラキラでうっとりしました。

「オールド・マン・アンド・ミー」
振付:ハンス・ファン・マーネン
音楽:J.J.ケイル、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

ヴィシとマラーホフってやはりいい組み合わせなんだな、と思います。
彼女のコメディセンスも活かせてるし、、、
でもなあ。マラーホフはきっぱりクラシックで終わって欲しかった気持ちがどうしても湧いてしまう。
だって、マラーホフなんだもん。
だけども、たぶん、ずっと、ダンスは続けてくんだろうな。。。



「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン
音楽:ボリス・アサフィエフ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

シムキン、ずっとこの路線もあれかな、とも思うんだけど、でもやっぱ、この枠をやれる男子はまだいないというか。
個人的には彼の海賊よりこっちのほうが好きなので良かった。
実に実に素晴らしかった。
サレンコも最高でした。



第4部
「白鳥の湖」第2幕より

振付:レフ・イワーノフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフ

これだけのスターの中にあっても、完璧すぎるスタイルとエレガンスさにただもう脱帽。

言葉では言い表せない世界でした。

「トゥギャザー・アローン」
振付:バンジャマン・ミルピエ
音楽:フィリップ・グラス
オレリー・デュポン エルヴェ・モロー

よくあるアザーダンス系、本日3本目。
衣装は白いノースリーブのトップスにジーンズで、いいんだか悪いんだか、、、、この2人でアザーダンスを観たかったな。


「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル

2人とも踊りはさすが、本家というか、踊り慣れてる感じはするのですが、この場面で、そりゃタチアナの夢の場面だけども、、、ここまでキラキラハッピーモードでいいのかな、、とちょっと心配になるくらい。
なんでしょうか、チャイコフスキーのマンフレッドくらいの気持ちでいたのに、グラズノフのハッピーキラキラな管弦楽を聴いたときみたいな、そんな感じのあれれ?でした。
やっぱりロミオなんだよな。(でも2人ともけっこう好きなんだけど)

そんなこんなで、シュツットガルトの来日公演を観たくなってしまうのでした。ちゃんときちんと全幕で観たくなりますね。


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ

フェスならではな感じのドン・キですが、やりすぎ感がほどほどで良かった。
ヴァルデスのバランスが素晴らしくて、回転系もすごかった。32回転はほぼ足だけで、腕の力を使わないで回ってた。
グネーオは回転を素晴らしいコントロールでピシッと止められるし、ジュテも美しかった。何より、サラブレッドのようなあの脚が凄かった。
思わず脳裏に、美しい馬とヴィゴ(とオマー・シャリフ)が素敵だった映画「オーシャン・オブ・ファイア」が蘇るくらいだった。


んが、もう少し、いい衣装はなかったのか?まあ、胸をあそこまで開けるのはさておき(これを見ると、オマールなんて可愛いくらいだ)

あのサッシュのテケトーさはどうにかならないのだろうか?誰か、注意する人はいないのか?




と、、、


そうなんですよ。
今回はとにかく、
・レンドルフの衣装
・オーレリーとモローのタンクトップ
・赤い布
・ディズニー


まあ、そんくらい、、あとは満面のフォーゲルのロミオな笑顔か、、、、それくらいしか、文句ないです・笑


素晴らしい公演でした。


心に残ったのは ボーダー&ゼレンスキー、ゲラン&ルグリ、エイマン、サレンコ&シムキン、ロパートキナ&コルスンツェフ、ヴァルデス&グネーオ 、リアブコも素晴らしかった。







今夜のBプロが楽しみです。
真理さんのチェロも久しぶりー。お子さん産む前のコンサートが最後だったからほんと、何年振りだろう。

そして、マリインスキーのライモンダには、ふつうの衣装を切望しています。

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