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2016年3月4日~ハンブルクバレエ 「リリオム」感想1


キャスト表とパンフレットを会社のロッカーに置いてきてしまったのでとりあえず主なキャストをNBSから拾ってまいりました。

キャスト表にはコールド全員載ってるので、今度書きます。



「リリオム-回転木馬」

─ プロローグ付き全7場のジョン・ノイマイヤーによるバレエ伝説 ─




◆主な配役◆



リリオム:カーステン・ユング
ジュリー:アリーナ・コジョカル(ゲスト・ダンサー)
ルイス:アレッシュ・マルティネス
風船を持った男:サシャ・リーヴァ
マダム・ムシュカート:アンナ・ラウデール
マリー:レスリー・ヘイルマン
ウルフ:コンスタンティン・ツェリコフ
フィスカー:ダリオ・フランコーニ
水兵:キーラン・ウェスト
天国の門番:エドウィン・レヴァツォフ
内気な青年:アリオシャ・レンツ
悲しいピエロ:ロイド・リギンズ
エルマー:エマニュエル・アムシャステギ
幼少時のルイス:ヨゼフ・マルキーニ




指揮:ジュール・バックリー



演奏:北ドイツ放送協会ビッグバンド、および録音音源



◆上演時間◆




第1幕 18:30~19:55



【休憩 25分】



第2幕 20:20~21:15


オーケストラの録音音源と生のビッグバンド演奏を使用していましたが、とてもゴージャスで素敵な気分に浸れました。
オケ部分とビッグバンド部分との音楽の絡み方が素晴らしくてルグラン天才!って思いました。
ちなみに指揮者の方はかなり長身でほっそりしていらして、カーテンコールでダンサーに混ざってもかなりなノッポさん。レヴァツォフと同じくらい?


回転木馬があって、舞台後方、高台にはビッグバンドがいて、サーカス広場を中心に描かれる場面も多いので明るく華やいだ印象があります。
年代としては、大恐慌時代あたりでしょうか?ファッションもかわいらしくて好き。

暗い側面も描いてはいるのですが、ノイマイヤー作品としてはかなりわかりやすい、親切な作りだし、バレエをあまり見ない人でも入りやすいミュージカル的な華やかさもあると思います。
ストーリーも素直でわかりやすいかと。

ノイマイヤーは振付、演出、音楽効果、空間、装置、照明、美術すべてひっくるめて「バレエは総合芸術なんだ」というものを観客に納得させる力がとてもある人だと思いますが、この「リリオム」もとても完成度が高い作品だと感じました。
だからというか、なんていうか、、、もう、あちこち見るとこ多すぎて、オペグラ使う暇がないくらい、忙しかったし、瞬きするのも惜しいくらいでした。
これだから、複数回観たくなっちゃうんだよなあ。。。。

個人的には、もっととんがってた時の深いノイマイヤー作品だったり、若しくはかなりそぎ落とした感じのシンプルな作品のほうが好みではあるのですが、、、、

なんにせよ、絵柄的に好きなあの時代の雰囲気の美術、コジョカルとユングにあてがきしたであろう、二人の魅力を十二分に発揮できるこの作品、とても素晴らしいと思いました。




直近に読了した小説が、リリオムのように「自分がいない間に生まれた息子」を見つめるような、父子関係を扱ったもの(読んでない人にネタバレしたくないので、書名は書きません。比較的新しい日本のミステリです)だったから、よけいに作品に入りやすかったのかな。

こういうふうに、自分がいまちょうどピンとくるタイミングで、そういう舞台に出会えるのもなんか嬉しいというか、受け止める準備ができているタイミングだったのは幸運です。
心が狭い若いころだったら、「なんであんなガサツな粗野な安定しない職業の男に惚れるかな、ジュリーよ、、、、妊婦をなぐるなんて最低」って思うかもしれないですし。


コジョカルとユングの素晴らしさはまた次回書きますが、忘れないうちに書きたいのは。

バルーンマンのサーシャ・リヴァ
あのルルベのキープとしなやかな雰囲気。素晴らしかった。

ピエロのロイド・リギンス
やはりロイド・リギンスは最高です。

ルイスのアレッシュ・マルティネス
おそらく、ローザンヌのころからあまり身長が伸びていない印象ですが、テクニックの素晴らしさはますます磨きがかかっているようです。純クラシックのカンパニーではなく、ジョンのところへ行って大正解でしたね。


アンナ・ポリカルポワが演じたマダム役もさぞかし素晴らしかったでしょうが、アンナ・ラウデールもとてもゴージャスで美しかったです。でもちょっと綺麗すぎたかな・苦笑
もっとしたたかな感じも欲しいかも。

有井さん、石崎さん、菅井さんも素晴らしかったです。菅井さんはやはり動きに目がつい行きますが、有井さん!なんてきれいな人なのかしらー!もう、びっくりしちゃたわ。





観終わって、これはほんとに、「リリオム」という作品なんだな、と納得です。
ハンブルクのコアなファンの人でなければ、日本でも大人気のコジョカルがメインな感じなのかもしれませんが、(それにコジョカルのあの寄る辺ない可憐さにあてがきした作品だろうし)それでもやはり、これは「リリオム」なんだと。

なんとなく、ジブリの「もののけ姫」を見て、「この映画は「もののけ姫」ではなく、「アシタカ」だろーが」って感じたことを思い出しましたが、これが「ジュリー:回転木馬」だったらなんじゃそりゃ、ってなったと思う。

とりあえずまた書きます

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