父さん、ここは富良野の山の中なわけで、
小さな小屋は今にも崩れてしまいそうなわけで、
バスの中には毛布も布団もあるわけで、
薪は好きなだけ使ってもいいわけで、
ソファに座って山々に降り注ぐ冷たい雨を眺めてるのもすごく富良野だと感じられるわけで、
もうアタマの中ではずっとさだまさしが歌い続けてるってわけで、
父さん、もう誰もいなくなってしまって、薪ストーブも裏の小屋も動かなくなったバスも、ゴエモン風呂も、全部僕の自由になったわけで、
あぁ、想っていた以上に富良野は富良野なわけで、
雨で何も見れなかったとしても、ここ以上に僕が想い描く富良野らしい場所はないと想うわけで、
麓郷からほどちかいこの場所、ここでしばらく住んだら、吾郎さんみたいになれるかなぁって、そんなことを考えてしまうのです。