ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ピーターラビット空日記。

2013-08-19 20:42:45 | Weblog

島は雲が綺麗だ。島の雲はどこも綺麗だ。八丈島の雲も綺麗だ。
夕暮れ時に釣りなんかをしていると、暇だから、ずっと雲を見ている。

千切れ雲が、形を変えながらゆっくりと流れていく。それは、ロマンチックであったりファンタジックであったりメルヘンチックであったりコミカルであったり・・・いつまで見ていても飽きない。
そのうちに、辺りは暗闇に包まれていてハッとする。もう帰らなきゃ・・・。

夜は夜で、月明かりに照らされて揺らめく雲を見ている。ハンモックに揺られながら雲を見ている。月明かりが作り出す陰影が、雲の形を立体的に幻想的に見せてくれる。いつまで見ていても飽きない。
そのうちに、知らないうちに眠りに落ちている。ゆらゆらと揺られたままで・・・。

歌うピーターラビットの雲が流れて来た。手には楽器を持っている。

そろそろこの島ともお別れだ。
僕は歌いに行かなければならない。

明日ものんびりと雲を眺めて・・・ピーターラビットともお別れだ。

先生との死闘日記。その三。

2013-08-19 19:16:20 | Weblog

三年前に八丈島で出会った「たーたん」という男の子がいる。当時中学二年生。今は高二。
中二当時からお魚博士か?っていうくらいに魚に詳しい。
メアドを交換したので、それからというもの、北海道だろうが沖縄だろうが石巻だろうが、釣れた魚の名前が分からない時は、写メを撮ってたーたんに送る。するとすかさず返事が来て、謎が解明!ってことになるのだ。お魚ご意見番なんだね。

今回のウマヅラ先生。なんだかウマヅラではなさそうな気がしたので、早速たーたんにメール。
返信されたメールにはこう書いてあった。

Re:
詳しくはわからないですが、ウマヅラハギではないです!
南の方のハギ系の魚は毒を持ってる場合も多いので食べないことをオススメします!

ガーン。ウマヅラ先生はウマヅラハギではなかった。しかも、毒まであるなんて。。。ガーン。
でも、たーたんの言うことは絶対、なのである。

まぁ、あれだよ。釣り上げたあと、触ってみたら、ぷにゅぷにゅして気持ち悪かったから、そのまま海へ返してあげてね、結局食べるつもりはなかったんだけどね。
コジキ先輩が健在だったら、持って帰ってきたけどね、多分。

写真を見ながらね、ビーチサンダルの倍くらいあるから、60センチくらいあったね。とおだちゃんに言ったら、こう言っていたよ。
「60センチでも8メートルでも、食えなきゃ意味ねーんだよ!」
だって。

ひどくない?あったまきちゃうよなぁ。

おわり。

先生との死闘日記。その二。

2013-08-19 15:55:07 | Weblog

魚を誘うためにコマセを撒く。コマセっていうのは、アミエビ。ちっちゃいエビみたいなやつね。コマセが海面付近を浮遊している辺りにガッコウ鈎を投げ込んで、待つ。

フグやらなんやら、大きい魚やらなんやらが集まってくる。狙いはウマヅラ先生一本。

おっ、ウマヅラ先生の登場です!

狙いを定めて、うりゃぁ!とガッコウ鈎を跳ね上げる。ウマヅラ先生はなかなかの素早さで鈎を避けてコマセだけを食べながらゆうゆうと泳ぐ。
何クソ、うりゃぁ!うりゃぁ!

ガシッとした感触が竿を握る手に伝わった。やりました!ウマヅラ先生を遂にゲットです!

しかし、ここまでは去年もやっている。去年は、ここで、ウマヅラ先生のあまりの重さに糸が切れた。が、今年は違う。太いラインと、そしてタモ。タモってのは玉網。魚を掬う大きな網だよ。

ここで叫ぶ。「おだ!タモー!」

おだちゃんは面倒臭そうに振り返り、「本当にタモいるの?」

おいコラ。おいコラ。と言ってしまいたいじゃないか。おれとウマヅラ先生の宿命の対決のクライマックスに、面倒臭そうな顔をするんじゃないよ。しかも、まだタモを組み立てていないじゃないか?

「タモ、タモ、早く、早く」である。

おだちゃんは、これまた面倒臭そうにタモを組み立て始めるのだが、これがまた、網が絡んでなかなか組み上がらない。

おいコラ。おいコラ。

組み上がったタモをおだちゃんが海へ。ウマヅラ先生のいる場所へ。サッと掬い、勝負あり。

ターラーララ~ターラ~ララ~。情熱大陸のエンディングテーマが何処からか聞こえてける。

おれは、おれは、ついに勝ったぜ。やったぜ。やったぜ。やったぜ(エコー)。

揚げたウマヅラ先生の写真をパチリ。よく見ると・・・気持ち悪い。なんか・・・トロピカル?あれ?ウマヅラ先生?ですか?

キャンプ場には顔見知りが多い。四年になると、まぁ、顔見知りがいる。顔見知りと言っても、旅人の顔見知りではなく、地元の人というか、キャンプ場に半分住み着いている人というか、完全に住み着いている人というか・・・。

コジキ先輩という人がいて、通称先輩なんだけどね。みんながあの人はコジキだって言うから、コジキ先輩ね。
その先輩が、堤防にいるウマヅラは美味いって言ってたんだよなぁ。だから、四年も戦い続けたんだけどなぁ。とりあえず釣り上げてキャンプ場に持って帰れば、なんとかしてくれるだろう・・・と。

今年、キャンプ場に着いてコジキ先輩を探したのだけれど、先輩はいなかった。方々に尋ねると、先輩はもうここにはいないとのこと。
元々、悪さを重ねて街に居られなくなって、キャンプ場に住み着く形になっていた先輩。今年、行政の手によって追い出されてしまったのだそうだ。今は島を出て、内地にいるような話。

コジキ先輩の名誉のために言っておくが、コジキ先輩は乞食ではないよ。ちゃんと働いてたし。コジキ先輩を乞食と呼ぶ人の方が、どちらかというと・・・だったような気がしないでもない。

あぁ、コジキ先輩に会いたいなぁ。

と、そんな物哀しい話ではなくてね。これはウマヅラ先生との格闘の話ANDウマヅラ先生を美味しくいただけるのか?という話なのだよ。

つづく。

先生との死闘日記。

2013-08-19 11:14:51 | Weblog

ムロアジはね、いくらでも釣れる。よほどタイミングが悪くなければいくらでも釣れる。40匹くらい釣って、食べきれないなんてこともある。だから、ちょっと飽きる。

おだちゃんは釣ったムロアジに針をかけ、泳がせてカンパチを釣ろうとしている。でも、まだ、一向に釣れない。

ムロアジ釣りに飽きたから、釣ったアジを切り身にしてエサにする。何かがかかればもうけもの。さばいてる途中で、半身にしたアジが美味しそうだったのでパクリ。しんせーん!歯ごたえぇ、おいしいぃ。

なんてことをやりながら、いよいよ、今日の釣りは佳境に入る。

苦節四年。八丈島四年目。毎年敗れているウマヅラ先生との戦い。
去年は釣ったものの、重くて上がらなかった。そして逃げられた。結構でかいのだ。今年はおだちゃんをそそのかして、タモを買って来てもらった。ウマヅラ先生が掛かったら、「おだ!タモー!」と叫ぶのだ。

ウマヅラ先生との戦いのために、去年の冬に、宮城県石巻の釣具屋で最強ガッコウ鈎を購入してある。そう、僕の心は一年中ウマヅラ先生との戦いの中にあるのだ。

つづく。