きものを着ていると、ホント、いろんなことあります。
電車を待っているホームや電車のなかで話しかけられることは、たいていの方は経験おありだと思います。
次にご紹介する三枚のきものは、見知らぬ人から頂いたものです。
黒とグレーの市松、笹の小紋&ブルーや緑、橙色がポップな羽織
ブログを始める前の五月くらいだったかな。お茶に行くためのバスを待っていると、
「きもの、お好きなんですか」と、品のある初老のご婦人に話しかけられました。
「はい」と答えて、しばらくきもの談義。
「私も好きで着ていたんですが、もう着れなくて。もしよければもらっていただけませんか」とのこと。
「まあ、ありがとうございます」
社交辞令だろうと思いながら、そう言ってくださることにお礼をいいました。
バスが来て、その方は優先席に、私は後ろの席に。その方が降りるとき、会釈をしようと見ていたら、信号待ちのときこちらに来て、「連絡先です」
なんと、電話番号を書いた紙切れを
いかに図々しい紫苑といえども、「はい」とすぐに連絡するわけにはいきません。
ところが何週間か経ち、またバス停で再会。
「まあ」とか「いえいえ」とか、「つまらないものしかなくて」「いえ、とんでもありません」などなど大人の会話がいろいろあって、あとは省略
ついに三枚のきものが我が家に来ることになったのです。
一目で気に入ったのが市松の小紋、お嬢さんのものなのか、私には後ろ幅も前幅も大きい。それでも単衣だからお直しも簡単だし、帯にもなりそうと頂いてしまいました。
で、お直ししました。
後ろ幅は、仕立てるときは、背中心で調節、お直しの場合は、脇をいったん全部ほどいて縫い直すのですが、面倒なので後ろと前を一緒に縫ってしまいました
身幅が32センチもあったので、前後2センチ、合計4センチ縫いこみました。
で、出来上がったものを試着してみると、これがぴったり。
帯・モノトーンの薄(すすき)
帯揚げ・臙脂色
いつもよりきれいに着れた気がします。
うーん、これはクセになるかも。大き目の袷も、これでやってみようかなあ。もさもさするかなあ。
それはともかく、いつか頂いたきものを着てお礼のご挨拶に行かねば。
昭和の香りのするきれい色の羽織は、ほどいて袖だけをうそつきに。
あとは、帯揚げ? 半襟?
何にしようかと思案中。こんなポップな柄を着こなせるといいんですが
きもの好きのところにはきものが自然に集まってくると、どなたかが言っていますが、それは本当。
もういらないと言いながら、箪笥のなかには、「自然でなく集まったきもの」もいっぱい。もう着れなくなったものもあります。
いつか、というか来年辺り、整理してお譲りしたいと思います。
頂いたり、差し上げたりー、それもきものだからこそできることですね。
そんなものいらないわ、という方も
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