和洋折衷のtomoさんのブログを拝見して、見たくなった「昭和モダンキモノ」(河出書房新社)。
著者は、きもの好きにはおなじみの東京は文京区にある「弥生美術館」の学芸員・中村圭子さんです。
弥生美術館といえば、「竹久夢二美術館」のお隣にあり、大正から昭和の挿絵画家の作品を常設してあいる情緒あふれる美術館。
書籍のサブタイトルも「抒情画に学ぶ着こなし術」とあります。
昔の挿絵を参考にキモノの着こなしを学ぼうというわけです。
しかし、アンティーク好きな方はともかく、そこは卒業というワタシには、参考にするというより、眺めて楽しいもの。
眺めていて、ふと、この時代の女性って、「曲線がきれいなんだな」と気づいた次第です。
たとえば、右の絵の女性。
「着物姿のしぐさ」のページ。
「畳の上にかがんでものを見る」女性。
「深くうつむく姿は、女性の姿態にいつもとは違う
曲線をもたらし新鮮な印象を与える」と説明にあります。
そう思ってほかのページを開くと、女性の
姿の柔らかな曲線がとても多い。
左の写真は本からではありませんが、竹久夢二が描いた女性。
彼の描く女性のほとんどは、曲線、しなりそうな柔らかさがあるように思います。
本ではそれを「人生の疲れた女の色気」と言っていますが、なるほど、ある種の男の人にとって、「人生の疲れ」=アンニュイは、魅力的なのですね。
私、若い頃は「人生に疲れていたんですけど~~」
それはともかく、今の私たちから見ると、「姿勢が悪い」とも見えるかも。
「畳にかがむ」姿勢など、いまやお茶席で「茶器・茶杓拝見」のときしか見ることができません。
まっすぐな姿勢がいいとされるようになったのは、きっと戦後、西洋の「気をつけ!!」など、直立の姿勢が奨励されたせいなんでしょうね。
そして、今やどのきもの雑誌を見ても、モデルのみなさん、みなよい姿勢、直線の姿勢。
こういう姿勢は、きっと「きものをきれいに見せるため」の姿勢なんですね。
そういう雑誌をずっと見てきたワタクシは、「きもののときには姿勢に気をつけないと老けて見える」なんて思っています。
まあ、そうなんですけど、
たまにこういう絵を見ると、きものしぐさの曲線もいいなあ、なんて思ってしまいました。
畳みもなくなり、テーブルで食事をする私たち、ましてきものがよそいきになった現代、こんな恰好をすると、「きものが汚れる」「シワになる」(笑)
お茶席ではある程度正装なので、よほどのベテランじゃないとリラックスしているとは言いがたい。
やはり曲線しぐさって、きものを普段に着ていた時代のものなんだなあ、こういう曲線きもの姿、あまり見られなくなるんだなあ、なんて思っていたら、
やっと見つけました。
「七緒」(プレジデント社」です。畳にべたっと座り、炬燵ですね。
いいですね。
この写真がいいのは、きものを着たときに緊張感がモロには出ていないところ?
雑誌の撮影ですから、もちろん作為はあるのですが、こういう作為自体がなかなか見られなくなった、ように思います。
たまには、「いい姿勢」だけではなく、
「人生に疲れた女性」の曲線の色気でも出してみましょうか。
いや、もうそのままで、はた目には、色気抜きで疲れているから~~
そうでした。
小雪さんも、「夢二のしどけなさ」出していますが、きものは見えない。
これは普通の女性誌だからこそできた仕草でしょうか。
「小雪さんの夢二きもの」
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