先日の映画「小さなおうち」
に関した拙ブログのなかで、
次のような疑問を記しました。
(きもの展示の追加情報ありますよ。2/2日)
監督と出演の皆さま。
「一つ疑問に思ったのは、
好きな人に会いに行く前と帰ってきたとき、
(奥様の)博多帯のお太鼓の独鈷模様が
右と左と逆になっていた」
というタキさんの意味深なせりふ。
相手の部屋で帯を解いたとして、
名古屋帯を左右逆に巻く
ということがあるでしょうか。
逆に巻いていくと、
お太鼓には前帯の筋が付くだろうし、
お太鼓部分をわざわざ半分に
折って逆に巻くこと、
あり得ないのではないか、
と思いました。
帯を解いた証しとするなら、
ポイント模様の帯にして、
その模様の位置が違っていた、などとするとかね。
きもの、着ていると、
こんなこと気になります」
それに対して、雨龍さんから、
こんなコメントがきました。
溢れる知性と素晴らしいきものコーディで
いつ拝見しても眼福、
なブログを書いている方です。
ーー以下
件の「博多帯の独鈷の模様」、
すごく気になって考えてみました^^
たぶん、一本独鈷か、独鈷と花皿と
一本ずつか、左右対称でないシンプルな博多ですね。
で、逆になっていたのは
お太鼓の左右かな、と。
八寸帯は、たれ先を折り返してかがってあるので、
裏を表にしてお太鼓を作っても、
見た目もおかしくはないし手触りでもわからない。
帯を背中で結ぶかねじるかしたときに、
お太鼓の裏が表に出てしまって、
結果模様の出方が左右逆になった。
慣れた人でも焦っていたら
やるかもしれないと思いますし、
可能性としてもっと高いのは、
帯を上げるときに慣れない人に
手伝ってもらったのかも…。
この推理、どうでしょう?
ーー
なるほど、なるほど、
なるほど、となるほどが続く推理です。
実際に試してみました(笑)。
すると、お太鼓の部分の三角に
折りたたんであるところ、
ねじらないでも、
そのまま背中に入れた方が、
確かに締めやすいんですね。
もちろん、お太鼓、裏側に出ますが。
折りたたんでないかったとしても、
クセがついているから確かに
「帯を上げるときに慣れない人に
手伝ってもらった場合」、
そうなるかも。
雨龍さん、スバラシイ(拍手!)
映画では、
「あれ以来奥様がお出かけになるときは、
洋装でした」とタキさん。
はい、そうなさいまし。
雨龍さんからは、
「博多帯のときは皆さん、
気を付けましょう。
あっ、博多は左右対称のものを
買いましょうかな(笑)」
というこれまた
素晴らしいアドバイスが。
あのとき「奥様」が着ていたのは
夏大島に、白ベースの紗献上です。
右側に黒の独鈷模様がありました。
そのコーディで出かけ、
帰ってきたときには、
独鈷が左になっていた~~。
このシーンは、映画の大きな伏線になります。
この帯に気づかなかったら、
「小さいおうち」に住む家族の運命は、
違っていたかもしれません。
で、博多の帯の裏表ですが、
その当時のことはわかりませんが、
私の博多は、
お太鼓の部分が二重になっています。
夏帯の裏を見ようとしたら、
しっかりかがってありましたが、
単の裏を見てみると、
裏です。
華皿の裏はわかりやすいけど、
独鈷の裏はわかりにくいですね。
映画がビデオになったら、
拡大鏡でしっかり見てみましょう。
まだご覧になっていない方は、
ぜひ、注意して見て、
何かわかったらご連絡ください(笑)
この映画のなかのきものをアップなさっています。
三越本店で、
「小さなおうち」展あったんですって、
教えてくれました。
件の博多帯もあります。
ぜひ見てください。
行きも帰りも同じ、
なのが少し寂しい?紫苑のお太鼓です。
背中の乱れは、
単に着付けが下手なだけです(う、う、涙)
励みになります。
どれか一つ応援ポチ嬉しいです。