閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

髭の理由

2018-06-27 07:40:17 | 閃き
久し振りに来日した台湾の義兄弟の顔には、似合わない髭があった

60代を前にして、台湾人でも髭を生やしたくなるのだろうと何も言わなかった

我々が父と慕う方の家族と、弟分として家族付き合いをする家族と我々夫婦の会食会を催し、久し振りの再開を楽しんだ


翌日、父と慕う方から電話があり、香典を用意しろと連絡が入った

聞けば台湾の義弟の父親が亡くなり、改めて葬儀を行う予定であることを聞いたという

翌日はたまたま仕事で出張する予定であったので、新幹線駅まで一緒に行き、昼食を共にした

その数時間の間に、お亡くなりになられたお父様の事や、予定している葬儀の事について聞くことができた

台湾では父親が亡くなると葬儀までは髭を剃らない風習があるようだ

それが無精髭の正体であった


昨夜、家に帰宅し食事の用意を待っていると、LINEが入った

LINEには義弟からの葬儀の模様を撮した写真が数枚送られていていた

するとすぐさま義弟からLINE電話が入った

写真が直ぐに既読になるので、観ているのが判ったからだと言う

およそ1ヶ月半の間準備を重ねて葬儀(正式にはお別れ会なのだろう)を開催した

親戚、友人知人など限定で知らせていたのは義弟の性格であるが、話を聞き及んだ方達から叱られ、当日は用意した席の倍近くの方達に参列頂いたという

勿論、私や父と慕う方も参列したかったのだが、遠方で叶わず、父からの弔事を事前に送り、許しを得ていた


息子にとって父親の死は大きな衝撃である

普段は会話などしないのだが、その存在の大きさに改めて気付くのである

義弟にはなるべく多くの写真を送ってもらうように依頼して、残されたお母様や義弟家族の身体を気遣う言葉で電話を切った

髭には理由があったのである