ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

名人戦 藤井の不調 豊島の安堵

2024-05-23 12:52:25 | 将棋

5月18・19日に行われた名人戦第4局は挑戦者の豊島将之九段が藤井聡太名人に勝ち、対戦成績を1勝1敗としました。

 

敗れた藤井名人ですが、かなりの不調です。今年は勝率8割は厳しいでしょう。もしかしたら、今後もないかもしれません。棋士人生で一度でも年間8割を記録したなら大したものです。それを藤井名人はデビュー以来7年連続で超えていたのですから、超人でした。

しかし、これからは人間のトップ棋士レベルの7割台に移る事が濃厚です。理由としては、皆がAIで深く藤井将棋を研究して、力が縮まった事と、伊藤匠という強力なライバルが出現したこと、それとかつての爆発的な終盤力に陰りが見えることです。

 

終盤の陰りについては去年から記してきましたが、八冠達成、勝率も自己最高の記録を残すなど結果が出ていたので「序中盤の幹が太くなった」と理解していました。しかし、今年度になって、まだ1カ月半とはいえ、結果にも表れ始めました。

「小さい頃は神様がいて」。藤井さんが10代の頃は近くに将棋の神様がついていました。しかし、二十歳を過ぎ、神様は次第に彼と距離を取るようになりました。これまでも他の分野で天才少年・少女は何人かいましたが、全体としては10代の輝きに及ばないケースが多いようです。藤井さんには輝き続けて欲しいですが、それは容易な道ではないでしょう。

 

対して豊島九段は勝てて本当に良かったです。というのは、ここのところ不調続きで、今年度も白星がありませんでした。豊島さんの場合、30代半ばにさしかかり、棋力が衰え始めても不思議でない年齢になりました。彼が10代の頃から存在を知っていたので、早いものです。この大きな勝利をきっかけに、あと5年、10年、トップ棋士であることを願っています。

 

藤井さんにとって来週は正念場。結果は大事ですが、現時点での力を出し切り、内容の良い将棋を指してもらえればと思います。

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将棋史の転換点? 伊藤が藤井を制し叡王に王手

2024-05-03 10:13:05 | 将棋

昨日の叡王戦第3局は将棋史の転換点だったかもしれません。1勝1敗のタイから抜け出したのは藤井叡王ではなく、伊藤七段でした。しかも、その内容が凄かった。藤井得意の終盤で伊藤が逆転勝ちをしたのです。

 

これまで藤井八冠とタイトルを争った棋士の中でも、伊藤七段だけは異質の戦い方をしていました。他の棋士が戦法や時間の使い方で工夫する変化技で勝負してきたのに対し、伊藤七段は負けても負けても正攻法で勝負を挑み続けたのです。

そして、前局で初めて藤井さんに勝利し、今局で連勝。藤井得意の角換わりを堂々と受け止めました。これまでも伊藤七段は10年に1人の逸材、あるいは俊才と見ていましたが、見方を変えなければいけないかもしれません。藤井聡太と並ぶ、あるいはそれに近い30年~50年、50年~100年に1人の天才かもしれないと。その可能性はまだ半々だと思います。高い才能に加え、努力、研究の質が高いのでしょう。

そして、近い世代でもう1人、藤井クラスの実力者が現れたなら、それは才能云々より、将棋がAIの発達などにより、大きな変革期を迎えたと見た方が適切でしょう。

 

これまでは、あまりにも藤井さんが早熟だったため、実績では大きく引き離されている伊藤七段ですが、実力的にはすでに藤井さんに追い付いたと見ます。ここで、一気に伊藤が抜き去るのか、再び藤井が突き放すのか目が離せなくなりました。

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藤井、新年度白星スタート

2024-04-09 11:55:15 | 将棋

藤井聡太叡王に伊藤匠七段が挑戦する叡王戦五番勝負第1局が4月7日に行われ、藤井叡王が107手で伊藤七段に勝ち、1勝0敗としました。

 

名局と言っていい内容でした。AIが示す数字以上に伊藤七段が勝ちやすく見えましたが、流石は藤井叡王でした。終盤の指し手の正確さで上回った藤井叡王が熱戦をものにしました。

 

敗れた伊藤七段ですが、藤井八冠と10局以上対局してまだ勝てません。しかし私は彼は大物かもしれないと評価を上げています。

今回の勝負もそうでしたが、伊藤君は藤井君に決して変化技で勝とうとはしません。藤井得意の角換わりを堂々と受け止め、持ち時間で優位に立とうともしません。がっぷり四つの読み合いで藤井八冠に勝利しようとしています。藤井相手にも堂々と自分のスタイルで戦っています。

そのためか、藤井八冠に敗れた棋士たちがこぞって調子を崩す中、伊藤七段は好調を維持しています。注目は伊藤君が一度、藤井君に勝った後でしょう。

 

そして、まもなく名人戦が始まります。藤井名人の挑戦者は豊島将之九段。久し振りに藤井・豊島の番勝負です。

藤井君には大名人の一歩を踏み出してもらいたいです。平成は谷川、森内、羽生と三人の永世名人が誕生しましたが、大名人には至りませんでした。「令和の名人と言えば藤井」という具合になってもらいたいです。

対する豊島さんは少し調子を崩しているようですが、いま持てる力を出し切ってもらいたい。熱戦を期待しています。

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藤井の全盛期はいつまで続くか?

2024-03-20 12:31:19 | 将棋

藤井聡太棋王に伊藤匠七段が挑戦する棋王戦五番勝負第4局が3月17日に行われ、藤井棋王が伊藤七段に勝ち、3勝0敗1持将棋で防衛しました。これでタイトル戦14連勝として、大山康晴十五世名人に次ぐ史上2位となりました。

また、中原誠十六世名人が持つ最高勝率記録はNHK杯決勝で佐々木勇気八段に敗れ8割5分2厘となり、中原十六世の8割5分5厘に惜しくも及びませんでした。それでも歴代2位。自己最高の勝率を残しました。

 

藤井聡太の2023年度は終了しました。前半は苦労する場面もありましたが、10月以降の竜王戦、王将戦、棋王戦は負けなしの圧倒的な強さを見せました。

果たして、藤井八冠の全盛期はいつまで続くのでしょうか?40才まではまず難しいでしょう。35才もかなり厳しいと思います。AIの登場で将棋の進化のスピードが格段に速くなりましたから。30才でタイトルを現在の半分、すなわち4つ保持していたら大したものではないでしょうか。しかし、もはやこの状態では全盛期とは言えません。

 

では、いつから藤井八冠が全盛期だったのかといえば、19才で五冠王、A級に上がった頃だと思われます。現在2年が過ぎて21才。個人的に全盛期の条件になるのは、タイトルと勝率だと考えます。例えばタイトル戦の場合は、1日制の五番勝負なら敗れる可能性はあると思います。ただ、藤井八冠が現在の強さで2度失冠する可能性は低いでしょう。よって、ひとつは六冠に後退した時、もうひとつは、14才でデビューして以来、7年続いている勝率8割を切った時です。驚異的な勝率があってこそのタイトル戦負けなしですから、8割を切れば自然とタイトル戦でも失冠が混じり始めると考えます。

ただ、個人的に藤井八冠には二大タイトルである名人、竜王の座は守り続けて欲しいです。また、一度ピークアウトした後、果たして逆襲できるのかということにも注目しています。

 

 

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藤井聡太を倒すのは永瀬か伊藤か藤本か?

2024-02-26 11:39:46 | 将棋

藤井聡太棋王に伊藤匠七段が挑戦する棋王戦五番勝負第2局が、2月24日に石川県金沢市で行われ、藤井棋王が伊藤七段に勝ち、対戦成績を1勝0敗1持将棋としました。

 

第1局は持将棋で決着つかず。2局目、伊藤七段先手番でどうなるかということでしたが、終わってみれば藤井棋王が終盤で抜け出し、勝ちました。

途中までは伊藤さんの深い研究が功を奏すのかどうかという局面はあったと思うのですが、時間を使った読み合いになると藤井さんの右に出る者はいません。伊藤さんはまだ藤井さんに勝っておらず、局面を悲観していたのかもしれません。

 

ここまでくると、誰が最初にタイトル戦で藤井八冠の牙城を崩すのかに注目が集まります。現時点では永瀬九段が最有力のようです。先日の朝日オープンでも決勝で藤井さんを破り、優勝しました。実力的には伊藤匠七段は外せません。どう苦手意識を克服するかでしょう。

 

そしてもう1人は唯一、藤井さんより年下の藤本渚四段。まだ18才です。現在、記録面で注目されているのは昭和の大名人・中原誠の最高勝率記録(0.855)が破られるのかどうかです。

藤井八冠が0.860。そしてその上に藤本渚四段の0.865。信じられない高勝率です。藤井さんと共に明日の将棋界を背負う存在になれるか?藤本君にも期待が高まります。

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藤井、タイトル戦20連覇の新記録

2024-02-10 14:10:55 | 将棋

2月7、8日に行われた王将戦七番勝負で藤井聡太王将が菅井竜也八段に勝ち、4勝0敗で王将を防衛しました。内容的にも全く菅井八段を寄せ付けませんでした。これでタイトル連続20期制覇となり、大山康晴十五世名人の連続19期を更新しました。令和の天才が昭和の大名人の記録を抜き去ったことは快挙と言えるでしょう。

 

ただ、これはある程度は予測出来た事です。藤井君が15、6歳の頃から、タイトル戦に出ればまず負けることはないだろうと考えていました。同じように考えていた人は多いはずです。

彼に1回は勝てても、5番勝負で3回、ましてや7番勝負で4回勝つことは至難ではないかと思えたからです。

 

問題はこの先です。それを占うのが現在、藤井棋王に伊藤匠七段が挑戦している棋王戦です。第1局は持将棋。早い話、決着がつきませんでした。仕切り直しの第2局以降も激しい展開が予想されます。

棋王戦は一日制のため、王将戦のように時間に余裕がありません。伊藤七段も深い研究をぶつけてきますが、そこは令和の王者として受け止め、最後は藤井棋王らしく鋭く寄せ切ってもらいたいものです。

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藤井、早くも防衛に王手・スポーツ

2024-01-30 11:19:46 | 将棋

王将戦は藤井聡太王将が菅井竜也八段を下しました。これで藤井王将の3連勝となり、早くも防衛に王手がかかりました。内容的には三局とも藤井王将が圧倒しています。99%決着はつきました。次局はせめて菅井さんが意地を見せ、熱戦になることを期待しています。

やはり注目は2月から始まる棋王戦です。1日制の五番勝負。相手は勢いに乗る藤井さんと同学年の伊藤匠七段。波乱の要素は揃っています。

 

ところで脳科学者の中野信子氏によると強者の時代は長く続かないそうです。分かりやすい例えとしては織田信長、田中角栄。藤井さんは紛れもない強者ですが、長期政権を築けるでしょうか?

 

一昨日の日曜日はスポーツ界も色々ありました。大相撲は照ノ富士の復活優勝。綱の威厳を示しました。

また、石川県出身の大の里は久しぶりに見た怪物級の力士ではないでしょうか。四つ相撲は未知数ですが、あの体つき、前に出る圧倒的な力だけでも大きな魅力があります。

 

大阪女子マラソンは前田穂南選手が2005年の野口みずきさんの日本最高記録を19年ぶりに更新しました。ようやく世界との戦いのスタートラインに立ったと言えます。

 

卓球女子の日本代表争いにも決着がつきました。伊藤美誠選手がポイントを加算できず、平野美宇選手が早田ひな選手とともにパリオリンピックのシングルス出場権を獲得しました。

平野選手は非常に才能が高く中国選手にも強いので、早田選手と共に期待したいです。

しかし、その平野選手も初戦で高校生にフルセットの苦戦をしいられました。同い年の伊藤選手もそうですが、女子の卓球では23歳という年齢は決して若くないのだなと実感しました。その中で二人と同い年の早田選手が台頭する若い力を寄せ付けず、大会を通じて1セットしか落とさずに全日本選手権を制したのは称賛に値します。

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王将戦 藤井、連勝スタート

2024-01-22 11:24:09 | 将棋

王将戦七番勝負第2局が行われ、藤井聡太王将が113手で菅井竜也八段に勝ち、2連勝としました。

 

この2局ともに藤井王将の完勝です。菅井八段は「居飛車トップと振り飛車トップの戦い」と意気込んでいましたが、さすがにこの連敗は堪えているのではないでしょうか。

これまでの内容を見ると、少なく見積もっても、8割以上の確率で藤井防衛が見えてきました。第3局にもし藤井王将が勝てば、かなり100%に近い確率になると思うので、次局は菅井さんにとっては事実上の土俵際と言えます。

藤井さんも昨年の秋口までやや調子を落としていましたが、そこからの立て直しが見事でした。

 

個人的には次に控えている棋王戦が苦戦する可能性が高いと見ています。挑戦者は伊藤匠七段。前回の竜王戦では藤井八冠に4-0のストレートで敗れましたが、竜王戦は2日制の七番勝負でした。棋王戦は1日制の五番勝負なので、これはどちらかと言えば伊藤さんの土俵かなという気がします。

二人は同学年でもありますし、激戦を期待したいところです。

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藤井聡太、2024年白星スタート

2024-01-09 14:33:06 | 将棋

藤井聡太、2024年の幕開けです。

王将戦第1局が1月7・8日に行われ、藤井王将が120手で挑戦者の菅井竜也八段に勝ちました。

 

完勝と言っていいのではないでしょうか。お互いが穴熊に組み合う(相穴熊)形になり、特に藤井王将は松尾流穴熊という金銀4枚の堅陣です。ディフェンスの駒が多い分、当然、攻め駒は少なくなります。その細い攻めを繋げ、一流の振り飛車職人である菅井さんを投了に追い込んだのは見事というより他にありません。

 

藤井さんの将棋は、デビュー当時から終盤力が飛び抜けていたのですが、それに序盤の構想力、中盤の捻り合いの強さが増してきて、将棋全体の幹が太くなった気がします。今年の将棋界も藤井聡太を中心に回っていきそうな予感が漂う一局でした。

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藤井、ストレートで史上3人目の竜王3連覇

2023-11-13 12:34:26 | 将棋

竜王戦第4局が11月10・11日に行われ、藤井聡太竜王が129手で伊藤匠七段に勝ち、4勝0敗で竜王位を防衛しました。調べたところ、竜王3連覇は9連覇の渡辺明、3連覇の藤井猛に次いで史上3人目です。谷川浩司も羽生善治も成し遂げていません。あくまでも私が調べたところですけど。

 

竜王戦全体を通して、藤井竜王の安定感が際立ちました。伊藤七段も藤井得意の角換わりを受けるなど、若者らしく真っ向勝負を挑みましたが、及びませんでした。しかし、共に21才の同学年。二人の戦いはまだ序章に過ぎません。

 

竜王戦全体を振り返って、藤井さんが珍しく「第3局は上手く指せた」と自画自賛していました。その対局を見直したのですが、ひとつ間違えば、伊藤さんが勝ちになる際どい勝負でした。

それを藤井さんが針の穴を通すようなコントロールで見事に勝利をものにした内容でした。彼の将棋に対する理想の高さを改めて感じました。

 

タイトル戦19期連続勝利は、あの昭和の巨人、大山康晴十五世名人に並びました。すでに歴代棋士の中でも、藤井最強説が有力になりつつあります。あとはどこまで持続させるかで、また評価は変わってくるかもしれません。

 

そして、誰が最初に藤井聡太を倒すのかに注目が集まります。永瀬か、伊藤匠か、それともまだ見知らぬ棋士か?デビューから29連勝の時は空前の藤井フィーバーが起こりましたが、今後は彼が負けた時に大きなニュースになります。強者の宿命ですね。

ただ、個人的には藤井さんを中心に将棋界が回っていくのがベストだと思います。竜王戦第4局で彼が食べたおやつは、普段の30倍の注文が殺到しているそうです。これだけスター性を持った棋士は他にいません。今日、総理大臣顕彰の授賞式があるようですが、岸田総理もこの人気は羨ましいでしょうね。藤井君の言葉をノートにメモしておいた方がよさそうです。

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