ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

白玲戦第7局 西山が里見を下し、白玲位奪還

2023-10-30 12:14:53 | 将棋

10月28日に白玲戦第7局が行われ、西山朋佳女流三冠が里見香奈白玲に勝ち、4勝3敗で白玲位を奪還しました。

フルセットの激闘でした。西山女流三冠が3勝1敗と王手をかけたのですが、里見白玲が第5局、6局と連勝し、流れは里見さんかとも思われましたが、序中盤を互角に受け止めた西山さんが、終盤にかけて持ち味の剛腕を発揮し、快勝しました。

これで女流の八タイトルのうち西山さんと里見さんが分け合う形となり、完全に2強時代になりました。

 

元々、里見さんは10代の頃から天才少女ともてはやされ、しばらく里見時代が続いていたのですが、現状は才能の西山、努力の里見と言って差し支えないでしょう。

勿論、里見さんも高い才能があり、特に「出雲のイナズマ」と言われた終盤力には定評があります。しかし、西山さんの出現で状況は一変しました。

里見さんのパンチ力がミドル級なら西山さんはベビー級です。男性棋士でも藤井聡太八冠を含め何人いるか?それほどいないだろうと思われる終盤力なのです。

その攻撃をまともに受けたらたまらないので、里見さんは徹底して西山対策を練ってきたのだと思います。

 

しばらく二強時代が続くとは思いますが、西山さん次第で変化があるかもしれません。というのは、直近のプロ棋戦で彼女は8勝3敗で、あと4戦で2勝すればプロ編入試験の権利を得るのですが、この行方は気になります。個人的にはもし権利が得られたら受験してほしいです。

 

そして楽しみなのは朝日オープン。前会長の佐藤康光九段対西山朋佳女流四冠。この剛腕対決です。佐藤九段は元名人の大棋士ですが、どちらが勝っても不思議ではありません。それくらい西山朋佳は強いです。 

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竜王戦 藤井が伊藤を下し2連勝 西山朋佳vs香川愛生

2023-10-19 12:09:33 | 将棋

昨日まで行われていた竜王戦七番勝負第2局は藤井聡太竜王が伊藤匠七段に勝ち、2連勝としました。

第1局は藤井竜王の快勝。そして第2局も藤井ペースで進みましたが、最終盤で伊藤七段がただで取られる藤井玉の斜め右下に角打ちの王手。伊藤七段の高い才能を感じました。

藤井竜王も強く取ります。伊藤七段はもう一枚の角で今度は斜め上から王手。ここで合駒を打てばよかったようですが、藤井竜王は玉を下げてかわしました。この手があまりよくなかったようで、次に伊藤七段が正しい手を指せば互角の展開でしたが、すでに1分将棋に突入していたため最善手を指せず、最後は藤井竜王が伊藤玉を即詰みに討ち取りました。

 

藤井対伊藤の同学年対決。藤井竜王が有利になりましたが、伊藤七段も間違いなく強いです。通算勝率7割7分台というのは若い頃の羽生九段と同じぐらいではないでしょうか。21才の同い年。この竜王戦はまだ序章に過ぎません。

 

女流王将戦三番勝負は西山朋佳女流王将が挑戦者の香川愛生女流四段に2連勝し、防衛を果たしました。

個人的に女流では西山さんが一押しですが、香川さんも非常に人気の高い棋士でYou tubeなどで精力的に活動している印象です。

香川さん善戦しましたね。特に第1局は西山さんが佐々木大地七段を完封した後だったので、もう少し楽に勝てると予想していましたが、中盤までは完全に香川ペース。将棋の難しさを感じると同時に、研究の比重の大きさを再認識しました。

 

西山さんは里見女流五冠に白玲戦を戦っている最中なのですが、「明日、あさっては休みたい」とおおらかな回答。永瀬九段が聞いたらどう思いますかね。

これが西山さんのペースなんでしょうけど、里見さんは将棋にストイックなので、この発言は出雲のイナズマに火を着けてしまったかもしれません。

 

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将棋史に刻んだ金字塔 藤井、ついに八冠制覇

2023-10-12 12:52:40 | 将棋

昨日、王座戦第5局が行われ、藤井聡太竜王・名人が永瀬拓矢王座に勝ち、3勝1敗として王座を奪取しました。

 

ついに藤井聡太が八冠制覇、全冠制覇を成し遂げました。コンビニで久し振りにスポーツ新聞を買ったのですが、他紙の一面も藤井でしたね。

昨日は仕事は休みで病院へ行きました。午後1時頃に帰宅したのですが、局面が動かないので、夕方から本格的に観戦しました。

 

昼食休憩まで藤井七冠が2時間48分を使っているのに対し、永瀬王座の消費時間はわずか21分。それでもAIは永瀬王座有利を示していたので、研究では藤井さんは永瀬さんに及びません。その後、攻める永瀬、守る藤井の展開が長く続きましたが、盤上の中央に桂を打ち込んだ辺りから藤井が反撃。そこから二転三転あり、最終盤で永瀬勝ちの局面になりましたが、1分将棋ということもあり詰みを発見出来ず、馬で王手をかけました。結局、この手が敗着となりました。

藤井さんが勝利に向けて着実に進む中、永瀬さんは何度も激しく髪をかきむしり、両手を組み合わせ祈るようなしぐさ。個人的には強く印象に残りました。

 

とにもかくにも藤井さんはよくやりました。快挙です。僕も良かったと心から思いました。勿論、藤井贔屓というのもあるのですが、これが八冠達成の最後のチャンスかもしれないと考えていたからです。

この対局もそうでしたが、10代の頃のような神懸かった終盤力に陰りが見えます。10才年上の永瀬さんが「以前より力が縮まった」と話していましたが、全くその通りだと思います。

途轍もない才能の藤井に対し、途轍もない努力の永瀬。永瀬さんの場合は努力家という言葉では表現しきれないものがあります。将棋に命を懸けていると言った方が相応しい。

藤井さん始め、中学生棋士ら才能に恵まれた棋士は爪先に重心をかけて盤上を駆けますが、永瀬さんはかかと体重。それが常人では考えられない努力でシリーズの内容的には藤井さんを上回る将棋を指しました。

まだ永瀬さんが修行時代、ネットを通じて少し話したことがあるのですが、その時は先輩がどうのこうのと普通の少年らしいことを呟いていました。立派になりましたね。才能は枯渇していくけれど、努力は積み重ねられる強みがあります。

 

最後に改めて藤井君、八冠達成おめでとう。藤井君がいなければ今の将棋界はなかった。救世主と呼ぶに相応しい。

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西山朋佳、男性トップクラスの棋士に勝利

2023-10-05 12:25:37 | 将棋

仮に「藤井聡太八冠達成」となればニュース速報級でしょうが、昨日は将棋界限定のニュース速報級の出来事がありました。朝日オープン1次予選で西山朋佳女流三冠が佐々木大地七段に勝利しました。

佐々木七段と言えば藤井聡太竜王・名人とのタイトル戦十二番勝負も記憶に新しい若手実力派です。快挙と言ってもいいんですが、内容的には完封でした。

 

西山さんは終盤が強い天才肌の女流棋士です。里見香奈女流五冠とともに女流二強ですが、里見さんも「出雲のイナズマ」ですから終盤には定評があります。しかし、西山さんの終盤の迫力は里見さんを凌ぎます。だからこそ里見さんは西山さんの将棋を徹底的に研究し、西山さんに難のある序盤・中盤でリードすることで西山さんに対抗しています。西山さんほどの終盤の爆発力は男性プロでもそれほどいないですね。

 

現在、西山さんの直近のプロ棋戦での成績が8勝3敗となりました。10勝5敗でプロ編入試験の資格を得るため、何とかあと4戦で2勝してもらいたいです。

仮に西山さんがプロ編入試験の資格を得たら、あとは西山さんの決断次第です。ただ、西山さんには奨励会三段時代、14勝4敗という成績を残しながら、順位の関係で次点となった過去があります。

14勝して運悪く昇段出来なかった人も何名かいますが、後にみなプロ棋士になっています。だから西山さんはただひとりの奨励会三段リーグで14勝してプロになれていない人なのです。是非、その時の悔しさを思い出して欲しい。藤井名人ですら13勝5敗での1位通過でした。

 

西山さんは藤井さんの奨励会時代の最後の対局相手でもあります。西山さんは7才年下の天才少年に「頑張ってね」と声をかけたそうです。西山さんは藤井少年の背中をどんな思いで見つめていたのでしょうか?是非、同じプロ棋士として藤井西山戦を見てみたいです。

西山さんの将棋には華があります。現在、王座戦で内容的には藤井名人相手に互角以上に戦っている永瀬王座の将棋に「華がある」という人はいません。永瀬さんは途轍もない努力型ですから。

高い才能を持っていなければ華のある将棋はさせません。魅せる将棋が指せる。その意味からも西山さんはプロになるべき存在です。

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藤井に勝ちが転がりこみ、八冠まであと1勝

2023-09-28 12:06:01 | 将棋

永瀬拓矢王座に藤井聡太竜王・名人が挑戦する王座戦五番勝負第3局が昨日、行われ、藤井竜王・名人が81手で永瀬王座を下し、2勝1敗としました。

 

それにしても勝負、特に将棋は最後まで分かりません。藤井さんは負けを覚悟していたでしょう。内容的には序盤からいいところなく完封負け寸前でしたから。

終盤はライブで見ていたのですが、最近では珍しく、何度も首をうなだれていました。

 

65手目、藤井が2一飛車打ちで初めての王手。当然、永瀬さんは3一歩と受けるとみていました。彼も感覚的には3一歩だったのでしょう。しかし、読みを入れているうちに、様々な事が脳裏によぎってきたのかもしれません。藤井将棋の恐ろしさを誰よりも知る永瀬さんだからこそ「自分の見えていない手が藤井には見えている」という思考に陥ったと推測します。結局は4一飛車と受け、形成は一気に藤井さんに傾きました。

しかし、その後も藤井さんは項垂れていました。「どうしてこんな将棋を指してしまったのだろう」という後悔がまだ続いているようでした。これではいけないと思い直し、盤上を睨んでいた目が印象的です。

 

とにもかくにも藤井名人の2勝1敗。王座獲得、そして八冠制覇に王手をかけました。相変わらず藤井さんの状態は良くないし、永瀬さんの打倒藤井への研究、執念は凄まじい。

近いようで遠い1勝。世間的には藤井有利の声が圧倒的でしょう。マスコミは将棋を知りませんから。しかし、個人的にはまだ決着の行方が見えません。見えないからこそ、面白いと言えば面白いですけど。

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王座戦第2局 藤井、執念の勝利で1勝1敗のタイに

2023-09-14 12:24:44 | 将棋

永瀬拓矢王座に藤井聡太竜王・名人が挑戦する王座戦第2局が行われ、藤井竜王・名人が214手で永瀬王座に勝ち、1勝1敗としました。

 

それにしても凄い、また異例の将棋でした。214手というのは平均的な手数のほぼ2倍です。藤井名人が長期戦をものにしたのですが、終盤の50手60手について、一部で永瀬王座が批判されているようです。

 

終盤に入り、藤井玉が上部に抜け出し、入玉しました。ラグビーで言えば王様がトライした格好で、この形になるとまず藤井玉は詰みません。仮に永瀬玉が入玉(トライ)しても、この場合にもルールが決まっていて、飛車、角の大駒が5点、他の駒は1点。

藤井さんが大駒を多く持っていたため、永瀬さんが規定の点数に届かず負けになります。それを判断して宣言するのは藤井さんです。藤井さんが正確に宣言すれば勝ちですが、間違えれば永瀬さんの勝ちです。先ほど説明した以外にも細かいルールがあって、宣言するには神経を使います。そのため「永瀬は藤井の宣言ミスを狙ったのでは」との仮説も広まっています。

 

ただ、永瀬さんの将棋には異常なまでの粘りが体に染み付いています。別に何かを狙ってということはないと思います。例えば1分将棋が長くなっているため、藤井さんが席を外してトイレに向かう可能性もあります。その瞬間、永瀬さんは間違いなくノータイムで指します。

しかし、藤井さんのような正統派のスターがいて、永瀬さんのような非情なまでに勝ちにこだわる棋士がいるから面白いとも言えるのではないでしょうか?

 

内容的には藤井さんに1、2年前までの終盤力が戻らず苦しみましたが、最後は見事な即詰みに永瀬玉を討ち取りました。ここから改めて三番勝負。全く先が見えません。

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藤井、敗れる 八冠へ厳しいスタート

2023-09-01 12:24:38 | 将棋

昨日、永瀬拓矢王座に藤井聡太竜王・名人が挑戦する王座戦第1局が行われ、永瀬王座が藤井竜王・名人を下しました。王座戦は五番勝負のため3勝先取で決着がつくため、藤井名人にとって苦しいスタートになりました。

繰り返しになりますが、やはり藤井名人は状態が良くないですね。得意の終盤での逆転負け。八冠へ向け、早くも赤に近い黄信号が点りました。

 

例えばサッカーは前半・後半に、野球は序盤・中盤・終盤に分けられます。将棋は後者ですが、野球と違うのは将棋は終盤の比重が大きいです。7回は1点が3点になり、8回には5点、9回には10点にもなる。大雑把に言えば、これが将棋というゲームの本質です。

その終盤が滅法強かったからこそ、藤井聡太は通算勝率8割3分という驚異的な数字を残してこれました。しかし、現在は得意なはずの終盤が心もとない状態です。それが王座戦第1局に敗北という形になって現れました。

藤井さんにはぜひ八冠を達成してもらいたいです。棋士人生で一度しかないチャンスかもしれません。しかし今の状態では負けても仕方ないとも思います。

 

一般的に言えば才能の藤井、努力の永瀬。八冠をかけた歴史的な決戦は、将棋の神様が演出したかのようなガードになりました。とてつもない才能ととてつもない努力のぶつかり合い。

早くも第2局が大きな山になります。藤井さんが最近、苦手にしている後手番を制すれば五分に戻りますが、永瀬さんが勝てば、大きく防衛、名誉王座に近づきます。藤井さんは10代から奇跡的な、神がかった将棋を披露してきました。その再現を期待しています。

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王位戦第4局、藤井完敗 藤井にライバル出現?

2023-08-17 11:49:13 | 将棋

昨日まで行われていた王位戦第4局は佐々木大地七段が藤井聡太王位を下し、1勝3敗としました。

 

佐々木七段は会心の指し回しで一矢報いました。対して藤井王位ですが、精彩を欠きました。特に最終盤でこれほどあっさり敗れる藤井さんは記憶にありません。これまでの藤井玉は生命力が非常に強く、討ち取るのは容易ではありませんでした。しかし昨日のそれは免疫力が全くなかったです。

 

やはり名人を獲得したあたりから、内容的には藤井さんらしからぬ将棋が多くなったように思います。藤井さんにとっては八冠よりも名人を目指してきましたから、少し安堵しても仕方のないことかもしれません。

普通は30才を過ぎた頃にスランプに陥る棋士が多いですが、藤井さんの内容を見ると、21才にして早くもその時期を迎えた可能性があります。それは今後の王位戦、王座戦、竜王戦ではっきりすると思われます。何とか早い段階で藤井さん本来の将棋を取り戻してほしいです。

 

その藤井名人に初めてライバルと言える存在が現れたかもしれません。伊藤匠七段です。竜王戦の予選、本戦負けなしの驚異的な強さで、挑戦者に名乗りを上げました。

伊藤さんは藤井さんと同い年で21才同士のフレッシュな番勝負になります。子供の頃、藤井さんが伊藤さんに負けて、涙が止まらなかったのは語り草になっています。

 

伊藤さんは遥か前を颯爽と走る藤井さんを懸命に追いかけ、ついに竜王戦の大舞台で勝負する場所まで来ました。予想は難しいですね。最近の将棋に限れば、伊藤さん有利とも言えますが、本来の力を取り戻せば、まだ少し藤井さん有利という気がします。しかし、互いに高め合うライバルが存在することは藤井さんにとっても好ましいことです。

 

 

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藤井、谷川、西山、山下三段 それぞれの挑戦

2023-08-11 12:47:59 | 将棋

将棋界は藤井聡太竜王・名人の八冠制覇なるかに注目が集まっています。

鬼門の王座戦で村田六段に大苦戦の末の逆転勝利。挑戦者決定戦では、これまで藤井名人にすべてのタイトルを奪われてきた豊島九段がこの一発勝負にかけてくるのは想像出来ました。双方1分将棋の死闘の末、最終盤で藤井得意の角打ちが決まり、辛うじて勝利をものにしました。

最大のヤマは越えたかにも思えましたが、迎え撃つ永瀬王座も永世称号がかかっています。1日制の五番勝負。対戦成績は藤井名人の11勝5敗ですが、ここ8局に限れば4勝4敗。藤井やや有利といったところでしょうか。

 

その藤井さんに最年長名人記録を破られた谷川浩司十七世名人ですが、現在、B級2て組で3連勝と好スタートを切りました。順位戦昇級の最年長記録は花村元司九段の60才。谷川さんは61才なので、もし昇級となれば最年長記録更新となります。現実的には厳しいと思います。

それにしても谷川さん、ほとんどが年下の棋士の中で頑張っていますね。果たして定年世代の星になれるか?

 

西山朋佳女流三冠が現在、プロ公式戦の成績が5勝1敗のようです。あと5勝4敗でいくと、プロ編入試験が受けられます。

ただ西山さんの調子自体はそれほどいいとは思えません。数年前は里見香奈女流五冠より力が上だったと感じていましたが、今はまた里見さんに逆転された印象です。終盤の破壊力には定評がありますから、やはり序中盤の研究で遅れをとっているのでしょう。

4年前ですか。奨励界の三段リーグで、14勝4敗で3人が並び、定員が2名のため順位が下だった西山さんだけがプロ棋士になれませんでした。彼女もその時の悔しさは忘れていないはずです。いずれは女性初のプロ棋士になってもらいたい。

 

その奨励界でにわかに注目されるのが山下数毅三段です。現在14才で、今期の三段リーグでの成績が11勝3敗で2位タイですが順位を含めると3位です。残り4局、どうなるか分かりませんが、史上6人目の中学生棋士を見たいものです。

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藤井、苦闘の末、八冠の最大の山を越える

2023-08-05 14:22:08 | 将棋

昨日、王座戦挑戦者決定戦が行われ、藤井聡太竜王・名人が豊島将之九段を下しました。

 

主に終盤を見ていたのですが、久し振りに力が入りました。藤井さんも決して本調子ではなかったです。そして相手は豊島さん。これまでタイトルを奪われてきた相手に一矢報いたい思いは強かったでしょう。

 

それにしても藤井さんらしからぬ将棋でした。これまで驚異の勝率を誇ってきた原動力である終盤の出来がこれほど悪かったのはほとんど記憶にありません。

将棋自体が豊島さんの玉が上に逃げていく展開になりましたから、難しかったのは確かです。将棋は王様が上に行くと詰ましにくいゲームですから。

しかし、それを差し引いても藤井さんらしからぬ内容だったと思います。疲労が溜まっているのかもしれないですね。最近のスケジュールというよりは、29連勝で彗星のように現れた、あの藤井フィーバーから6年が過ぎても、未だに食べたおやつが爆発的に売れたり、将棋を知らない人が藤井さんに高い関心を持つ状態が、これだけ長く続くとは誰も考えていなかったのではないでしょうか。

 

注目される人は大変です。それはどの世界ても。藤井さんの対局相手は、とっておきの研究をぶつけてきます。そうしたことで多少、消耗してしまったところはあるかもしれません。

大名人の器だとは思いますが、今の時代、先のことは分かりません。

 

ならば最初で最後のチャンスかもしれない、前人未到の八冠を達成してもらいたい思いが強くなってきました。昨日の豊島九段戦が最大の山と見ていました。永瀬王座も強いのは間違いないですが、二度までは負けられます。しかし、これは一発勝負。負けたら終わりなので、確かに内容よりも結果が求められる対局でした。

 

もし八冠を達成したら、藤井フィーバーも落ち着くのではないでしょうか。藤井さんには少し休ませてあげたいですね。

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