大学を中退した
3年生になった春先、友人たちと単位の数を見比べた
以来、半年ほど学校には行っていない
入学式を終えた武道館の前に桜は並々と咲き、嫌でも僕の目に映った
それを背景にして、大学生活はどれだけ持つのだろうと考えていた
いま、それが現実になるのだ
仲間の甘ったるい苦悩を聞かなくて済むのに
辞めることは決めているのに
実行にはそれなりの時間を要した
18才で最初の人生が終わり、地獄の二度目を生きて4年
これで外観も崩壊した
残されたのは22才という若さだけ
ただただ若かった
未来は多いかもしれない
しかし、行く末はおおよそ知っていた
だから明日が来るのが嫌だった
でも何故か、四半世紀以上が過ぎた今
あの頃の風景、流れていたメロディーが堪らなく懐かしくなる時がある
仲間は元気でいるだろうか?
もうこの世にいない人間がいても不思議ではない年になった
未来は随分と少なくなったのだ
苦しかっただけの季節
あれも青春にちがいないのかもしれない