ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

馬場俊英「人生という名の列車」

2024-12-05 11:44:51 | 歌詞
人生という名の列車が走る
時代という名のいくつもの街を行く
ヒロシは負け組でタカシは勝ち組
優子は負け犬で直美は捨て犬さ
ああふぞろいの僕らはとにかく旅をした
とある病院の分娩室に始発のベルが鳴り響き
列車が動き出した あれは昭和四十二年

作詞・作曲 馬場俊英。2006年4月発売。
上記はこの曲の冒頭の歌詞です。人生を旅に、時代や境遇を街に例え、物語性の高い文章が並べられています。そのため、頭の中に風景がくっきりと浮かびます。風景はこの曲を聴いた人の数だけあるのでしょう。
「とある病院の分娩室に始発のベルが鳴り響き」これは産声に違いありません。馬場さん自身、昭和四十二年生まれとなっています。


人生という名の列車が走り
ある土曜日の夜に辿り着いた街はブラウン管の中に
改札を抜けるとそこはお茶の間で

8時ちょうど全員が集合 みんなでオイ~ス!
「タライに気をつけろ!」それがその街での教訓
歯を磨くよ 宿題もするよ 約束さ カトちゃん
笑い疲れてお茶の間のコタツで知らずに眠ってしまった
たとえばつまり そんな温もりに守られた時代だった昭和四十八年

幼い頃の土曜8時と言えば全員集合です私のアイドルは志村けんでしたが、昭和48年だと加藤茶ですか。
「風呂入ったか、歯、磨けよ」懐かしい。そしてこの時代にはお茶の間がありました。「笑い疲れてお茶の間のコタツで知らずに眠ってしまった。たとえばつまり、そんな温もりに守られた時代だった昭和四十八年」。この部分好きですね。この感覚は幼い頃、多くの方が持つ感覚だと思います。なんだか接続詞まで格好よく感じる。

※中略



この戸惑いと不条理の世界 人間社会にようこそ
ウソつかず誤魔化さず どんなときも人に優しく決して腐らずに
わかってるし気を付けてるし頑張っている
でもできないよカトちゃん
でもどんなときも信じる事 決してあきらめないで
向かい風に立ち向かう勇敢な冒険者でありたい
平成十八年

大人になると、人生、思い通りにはいかない。努力しても理想の自分にはなれないことに気づきます。
それを「でも出来ないよ、カトちゃん」と表現しています。何も考えなくて良かった時代への郷愁が詰まっているようです。それでも、若き日の想いを忘れずに「
向かい風に立ち向かう勇敢な冒険者でありたい」と自分を捨てない決意を固めます。
全体を通して温かい歌詞だと思います。メロディーの出来も良く、曲の長さを感じさせません。後世に残したい名曲です。



祐次 ヒロシ 優子 亮一 ジロー おかしいね
ああ僕らが再来年40になるなんて
このレールの向こうに広がる世界
さあ行こう 旅を続けよう
今また旅立ちのベルが鳴り響き列車が動き出す

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