ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

タイムマシーン

2024-08-07 15:06:32 | 

ヒトが言葉を獲得する前から

僕らはタイムマシーンに乗っている

但し、それは一方通行である

上りだか下りだか知らないが

未来や死に向かっているのは確かだ

 

過去に体ごと移動するものは

まだ発明されていない

音楽や景色が心のみをひととき

過去へ散歩に連れ出すことはあっても

 

子供の頃にその意識は薄いが

大人になり、年を重ねれば気付くだろう

思いもよらぬ時の進み具合に

 

春のタイムマシーン

夏のタイムマシーン

秋のタイムマシーン

冬のタイムマシーン

 

ぐいぐいと力強く前進していく

人は、いや生き物で有る限り

死ぬまで降りることは許されない厳格

僕らはそこから下車する時

どんな気持ちになるのだろう

 

夏服が咲く駅前通り

探すような早足の青年

立ち止まり、アスファルトに近づく老人

灼熱のタイムマシーンに流されながら

 

 

コメント
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