「染まずただよふ」

・・・塾講師スミレの日記・・・

『おとうと』

2008年10月26日 | 今日の1作 

幸田文 『おとうと』 新潮文庫

この本に出会ったのも、もうずいぶん前です。
私にも弟がいるのでつい手に取ったのですが
文体の格調高さと登場人物の魅力にはまり
今でも好きな本の1冊です。

厳格な父とよそよそしい継母の間で
しっかり者の姉が優男で「不良少年」の弟の心配をする…
というようなハナシです(詳しくはコチラ)。

この本を初めて読んだ頃
『草の花』(福永武彦)、『風立ちぬ』(堀辰雄)なんかも読んでいたので
「また登場人物が結核で死ぬパターン!」と思わなくもなかったのですが
それでもやっぱり最期のシーンは緊迫していて現実感があって
それでいて悲しくて、やっぱり名作だなあと思います。
(ちなみに『草の花』もけっこう好きな作品です。)


で、なぜ今日この本を記事にしたかというと
コレのドラマ版ビデオを見てしまったからです。

制作は1990年と古くて(もっと古い映画版もあるみたい)
姉(げん17才)→斉藤由貴、弟(碧郎14才)→木村拓哉
というキャスティングにビビってしまいました。

演技がどうとかいうより
鼻に掛かる甘えた声は「げん」のイメージとは違ったし
「碧郎」はもうちょっと芯がなさそうに見える方がいいな…。

それにしても、何でも映像化されているものだなあと驚きました。
全てがイメージ通りとはいかなくても
それなりに楽しめるし、原作の良さを改めて感じるきっかけになってよかったです。