白雲去来

蜷川正大の日々是口実

狼の歌

2015-02-07 18:33:14 | 日記
一月三十一日(土)晴れ。

雪の翌朝は乞食も洗濯。とのことわざ通り良い天気である。ニュースはイスラム国に囚われた日本人のニュースでもちきりである。友人の不肖・宮嶋氏がコメンテーターとしてあまりメディアに露出しないのは少々さびしい限りである。

中東には行ったことがないので、シリアやイラクがどんな国なのかはピンと来ない。明治後期から大正、昭和の初期にかけて我々の先輩たちは、大陸への雄飛を志した。満州や蒙古、中国大陸へ…。大陸浪人として活躍した人たちや、馬賊に身を投じた人たちも大勢いた。黒龍会編の『東亜先覚志士紀伝』や小日向白朗の事を書いた『馬賊戦記』などを読むとその時代の人達のことが分かる。

湯川氏も後藤氏もそう言った「志」を持って中東へ渡ったわけではないだろうが、これからの民族派の青年は中東浪人となって、その地域の人心掌握や情勢の分析するために身を投じることも必要ではないだろうか。日露戦争に際して黒龍会の内田良平先生らが「対露同志会」を組織したように。

大陸への雄飛を志した当時の青年が歌った歌に「狼の歌」というものがある。湯川、後藤両氏に捧げたいと思う。

一、男一匹やるだけやれば何のこの世に未練がありょか
  吹けよ竜巻アルタイ超えて俺も行きたや命を賭けて

二、胸に秘めたる男の夢は女なんかにゃ分かろうものか
  アゴでしゃくろうか小指でやろか馬賊三千砂塵を上げて

三、俺が死んだら裸のままでゴビの砂漠にうっちゃっておくれ
  どうせ俺らにゃ狼の血が親の代から流れているのさ

今夜も酔狂亭で月下独酌。

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一穗の青燈 萬古の心

2015-02-07 18:13:03 | 日記
一月三十日(金)雪のち雨。

横浜にはこの時期に珍しく朝から雪が舞っている。横浜などにいると雪は、何か神様がくれたプレゼントのような気もするが、雪国では雪は格闘して克服するものということを、随分前だが思い知らされた。雪を見ていると、野村先生の代表句、「俺に是非を説くな激しき雪が好き」と、江戸後期の儒学者である官茶山の「冬夜書を読む」の漢詩を思い出す。

雪は山堂を擁して 樹影深し
檐鈴(えんれい)動かず 夜沈沈
閑かに亂帙(らんちつ)を收めて 疑義を思う
一穗の青燈 萬古の心

訳・雪が山中の家をうずめ、樹木も雪に深く掩われている。風もやみ軒の風鈴も動かず、夜は沈々とふけてゆく。
静かにとり散らかした書物を整理しながら、疑問の箇所を考えつづけていると、稲穂のような青白い灯火が、大昔の聖賢の心を 照らし出してくれるように思われてくる。

我が陋屋は、高台にあるので雪が積もると家から出らない。それを良いことに「雪見の酒」とシャレたいところだが、みぞれ交じりでさほど積もる様子はない。こんな日は、読書に限るが本はほとんど事務所にあるので、仕方がないので新聞や週刊誌の切り抜きの整理を行った。

夜は、酔狂亭で月下独酌。

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