白雲去来

蜷川正大の日々是口実

胸に残るローマの夜。

2020-11-13 14:16:05 | 日記
10月28日(水)晴れ。

先日、好きなテレ東の「昭和は輝いていた」という番組で、ザ・ピーナツの3時間スペシャルをやっていた。その時に聞いた歌の中で一番心に残ったのは「ローマの雨」という歌だった。酒が入っていたせいもあったろう、ふと平成4年の初秋に野村先生のお供をしてローマ、ベネチア、シチリアを旅したことが、脳裏に浮かんだ。

ローマの表玄関であるレオナルド・ダビンチ空港に着いた時には、すでに夜の帳が下りた後で、仄かな空港の照明の中に、異邦人であるわれわれだけが取り残されているような錯覚に陥った。そして、夜の空港には何か固有の表情があるように感じられた。

以前読んだ本に書いてあったが、旅をしていて思うことは、初めての土地それも外国の空港に降りるときは絶対に夜の方がいい、ということを実感した。見知らぬ土地に来てしまったという期待と不安。それは―逃亡者がやっと追及の手から逃れ、ようやく自分のことなど誰も知らない外国に辿り着いた、という安堵に似ているからである。空港からホテルまで夜の街をドライブする間、擦れ違う車のナンバーや日本では見ることのないネオンを眺めつつ、この闇の下にどんな顔をした人や街が存在するのだろうといった想像に胸が高鳴る。そして、この闇の下では、当然のように私たちは無名の旅人でしかない。

私たちを乗せた車はスペイン広場の上にあるホテル「ハスラー」に到着した。旅装を解くのももどかしく、先生に誘われて夜の街に出た。(拙著『師・野村秋介ー回想は逆光の中にあり』より)その旅から28年が過ぎた。一度、先生と歩いたローマやシチリアを再び訪ねてみたいと思っているが、このコロナでは、いかんともしがたい。

夜は、酔狂亭にて、シイタケとアスパラのアヒージョ、豚肉とピーマン炒め、トントロを肴に月下独酌。お供は「佐藤」の黒。※写真は、ローマにて、野村先生。

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松茸の笠ひろげたる日和哉

2020-11-13 14:03:52 | 日記
10月27日(火)晴れ。

朝も贅沢に「松茸ご飯」。我が家の炊飯器「バーミュキュラ」は、こういった混ぜご飯の時は威力を発揮する。炊き上がって蓋を開けた時の感激は言い尽くせない。浪人風情には過ぎた食事よ。感謝しつつ、家族に気兼ねしつつ、二杯目をそっと出した。松茸の笠ひろげたる日和哉とは正岡子規の句。

昼は、今朝の残りの「松茸ご飯」に大根の味噌汁。夜は、月に一度の仲良しさんとの食事会を館内は弁天通りにある「ビートレ」にて開催。終了後は、有志にて「HIRO」に転戦。一時間ほどで帰宅。

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松茸に震えた。

2020-11-13 13:51:11 | 日記
10月26日(月)晴れ。

チンタラしているうちに年の瀬が迫ってくるなぁー。野村先生が師と仰いだ、5・15事件の三上卓先生の俳句に「年の瀬や 劫火の男 ひとり黙る」というものがある。「劫火」とは、仏語。世界が破滅する壊劫 (えこう) の終末に起こり、世界を焼き尽くしてしまう大火。

朝食は、おでん、納豆。昼食は抜いた。夜は、頂き物のマツタケ焼き、ホイル焼き(贅沢に震えた)。友の友情に感謝しつつ「佐藤」の黒をロックでちびり、ちびりとやった。

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