七月五日(水)曇り。
今日、自宅に「福井のカレー」で有名な(検索してみてね)福井英史さんから、塩釜の鰹が送られてきた。私は、大の鰹好きである。刺身では鮪よりも今の時期の鰹が好きだ。焼き魚は千葉の「サバの文化干し」。ただ二三年前から何が原因か分からないが、鰹が不漁となり庶民の味方である鰹がスーパーでは見られない日が多くなった。たまに見かけても、とても食指が動かないような物に、エッと思うような値段がついている。
今年も、前半は、ほとんど良い鰹を見なかった。最近になってようやくスーパーや鮮魚店などに、良い鰹が並ぶようになって晩酌が待ち遠しくなった。そんな時に、鰹が一匹届いたのだから嬉しくないわけがない。さっそく刺身にして食べた。血合いの部分はズケにしてから片栗粉をまぶしてから揚げる。これも美味い。鰹のある食卓が嬉しい。
鰹と言えば、人の口に膾炙しているのが、素堂の俳句、目には青葉山ほととぎすはつ鰹 であろう。初鰹は江戸時代の人々に珍重され、当時は極めて高価であったらしいが、粋を重んじる江戸っ子の間では「初鰹は女房子供を質に置いてでも食え」と言われるほど愛された。
その江戸の初鰹は鎌倉あたりの漁場から供給されたため、松尾芭蕉は次のような一句を残している。
鎌倉を生きて出けむ初鰹
何と調べていたら明治天皇にも鰹を詠んだお歌があった。
かつをつる小船もみえて由比がはま波しづずかなる夏はきにけり
相模の海かつをつる舟かへりきてにぎはひをれば夕立のふる
「由比がはま」は鎌倉の海岸である。
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