10月31日(木)晴れ。
あっという間に10月も今日でお終い。歳のせいか、1日、1ケ月、1年があっという間に過ぎて行くような気がする。年月は人の都合にかまわず過ぎ去って、しばしもとどまることがない。歳月は人を待たず。か。午後、我が家からフト空を見上げると、とても見事なうろこ雲が広がっていた。いわし雲もウロコ雲も、ひつじ雲も皆秋の季語。野村先生の句集『銀河蒼茫』の「秋の部」には、「いわし雲」を読んだ句はあるが「うろこ雲」を詠んだ句はない。
秋の味覚と言えばさつま芋。そのさつま芋は、文字通り薩摩、鹿児島が生産量では第一位。二位は茨城、三位は千葉で、この三県が、さつま芋の生産の7割を占めているという。鹿児島のさつま芋は、ほとんど芋焼酎用で、焼き芋や干し芋は茨城がトップといこと。意外だった。関東では、さつま芋の別名は「八里半」と言うことを『幕末単身赴任ー下級武士の食日記』(青木直己著・筑摩書店)で知った。さつま芋の味が栗(九里)に似ているが少し劣る。という意味だそうだ。対して京都では、栗より味が良いと言うことで「十三里」。東西の気質の違いが感じられて面白い。
私が小学生の頃までは、冬になると落ち葉を集めて焚火をし、焼き芋を作って食べたものだが、現在では、都会で焚火をしようものならば、消防車が飛んでくるかもしれない。個人的には焼き芋よりも大学芋の方が好きだ。特に浅草は「駒形どぜう」の道路を跨いだ前にある、名前は忘れたが、大学芋の専門店の物が好きで、「どぜう」のお土産に買ってくることがある。夜は、久しぶりに狭斜の巷にて杯盤狼藉。