81歳男性が腰椎圧迫骨折で入院して、リハビリ病棟(整形外科医担当)に転科していた。数日前から発熱があり、今日は38℃になった。胸部X線と血液検査・尿検査をして、感染巣を指摘できなかったため内科に紹介された。胸部X線を見ると、明らかな肺炎の陰影はなかった。尿検査は異常なしで、尿路感染症も否定的だった。もっとも最近前立腺炎で入院する高齢男性が数人いて、尿所見がないこともあった。
患者さんに四肢に痛いところはないですかと聞くと、左膝が痛いという。触ってみると、熱感と腫脹がある。膝関節X線を見ると、両側膝関節腔内に石灰化があり、偽痛風の関節炎を起こしてもおかしくない。入院時にNSAIDが処方されていたが、腰痛が軽快していたので中止になっていた。ます感染症も否定はできないものの、自覚症状からは膝関節炎と思われ、NSAID再開で経過をみてもらうことにした。