86歳男性が黄疸・肝機能障害で内科クリニックから基幹病院消化器科に紹介された。膵癌・多発性肝転移で他にも転移が広がっていた。黄疸の治療として総胆管にステントが挿入された。抗癌剤治療のため腫瘍内科も受診したが、地元の病院で受けたいと希望したそうだ。消化器科医からの今後の治療をよろしく書かれた紹介状をもって、今日家族といっしょに当院を受診した。車いす移動がやっとで、年齢からみても抗癌剤の適応はないと判断された。しかし、患者さん本人は治療を希望していた。そういわれても治療はとても無理だ。
いったん基幹病院の腫瘍内科を受診して、治療の適応があれば治療してもらうよう勧めた。さっそく受診したが、その後に腫瘍内科医から電話が来た。とても抗癌剤治療できる状態ではないので、地元の病院で経過を診てほしいということだった。無駄な受診の仕方をしたようだが、やはり専門医の判断というお墨付きをもらわないと、後から治療できたはずだなどと言われたりして困る。「抗癌剤治療は無理」ということが正式に?確定したので、今後はできるだけ自宅で過ごして、食事摂取できないなど悪化した段階で入院治療とすることになった。