なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

意外に治っている

2013年03月14日 | Weblog

 先週施設からの紹介で入院した精神遅滞のある72歳女性は、入院後に喘鳴が続いていた。胸部CTで、放射線科医の読影所見は肺浮腫になっていた。BNPはそれなりには上昇して、両側下肢にはひどくはないものの浮腫を認めた。循環器科に心エコーを依頼すると、EFは55%で有意な弁膜症・心筋症はなかった。心不全とは言い難いので、CTの所見は感染による陰影ではないかとコメントが付いてきた。

 なんだか判断に迷うが、抗菌薬を点滴静注して、もともと少量の経口利尿剤が入っていたが、ラシックスとソルダクトンの静注を数日続けてみた。感染による気管支喘息か心臓喘息か鑑別できないが、ステロイド(デカドロン)の点滴静注も入れた。利尿がついて、しだいに喘鳴は軽快してきた。通常の胸部X線では判断できないと考えて、今日また胸部CTを検査した。肺浮腫とされた陰影はほとんど消失していた。

 やはり気道感染による気管支喘息だけではなく、肺浮腫・心臓喘息の要素も大きかったと思われた。微熱が出たりひっこんだりで、一定しないが、炎症反応は軽減していた。あとは終息へむかって、抗菌薬投与をどのくらい継続するか(1週間か10日だろう)、ステロイドに漸減注中止、利尿剤の経口剤への切り替えの判断だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする