昭和58年発行の「肝機能検査とその臨床」は研修医の時に購入した懐かしい本だ。結構使っていて、年数も立っているので、すっかり汚くなってしまった。調べてみると注文できることがわかったので、さっそく注文した。初版の本が送られてきたので、売れずに版元に残っていたらしい。同じ学年の研修医といっしょに勉強したことが思い出される。C型肝炎はまだわかっていなかったので、非A非B型肝炎となっている。
最近の肝機能検査の本としては、虎ノ門病院の肝臓の先生方が出したものがある。しかし、肝機能の読み方としては、この「肝機能検査とその臨床」はまだ使える。「アルコール性肝障害のγ-GTPは、禁酒すると2週間で半減する」など、実際には必ずしもそうではないが、わかった気になるようなことが書いてある。ASTとALTの変化の仕方や、その比を使った診断など、今でも充分参考になる。隠れた名著だと思う。