昨年10月から入院していた87歳男性が一昨日死亡した。約5カ月の入院だった。持病はいろいろあったが、どれも直接の原因とはしがたく、しだいしだいに全身状態が弱って死亡にいたったので、死因は老衰とした。
内科医院に慢性C型肝炎と慢性閉塞性肺疾患で通院していたが、急性肺炎となって当院に紹介された。肺炎に偽痛風の関節炎も合併していた。抗菌薬とNSAID投与で軽快治癒して退院になった。当院に通院したいという希望で数カ月通院していた。その後、食欲が低下して倦怠感もあり、再入院した。もともとうつ傾向があり、抗うつ剤と投与して点滴を継続したところ、ある程度食欲が出てきた。老妻と二人暮らしのため、介護保険を申請して、施設の利用をするようにMSWに依頼した。
入院中に肺炎になったが、抗菌薬を1週間投与して軽快治癒した。そのころから、また食欲が低下して、点滴を断続的にしていた。慢性閉塞性肺疾患があるが、酸素分圧は60ちょっとあり、必ずしも酸素吸入を要するほどではなかった。肝機能も安定していて、CTで診るかぎり、消化管の悪性腫瘍は否定的だった。
首都圏にいる娘が何度か往復して週末を中心に介護していた。自宅に帰るのは難しいので施設入所を考えていた。経管栄養希望せず、こちらからも勧めなかった。1ケ月前から食欲低下が固定してしまい、たまたま半分以上食べる日もあったが、食事を工夫しても1週間前からはほとんど食べなくなった。一昨日の午前中から意識が低下して呼吸も弱くなり、娘に連絡した。間に合わないかと思われたが、娘が到着して2時間後の夕方に死亡した。以前から、死亡に至った時は死因を老衰とすることを伝えてあったので、死亡診断書に老衰と記載した。