なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性腎盂腎炎、一過性脳虚血発作

2013年03月08日 | Weblog

 昨日当直だった大学の応援医師は、今日の日中は内科外来を担当する予定だった。が、朝方から嘔吐を繰り返していた。消化器科医が診察して点滴のオーダーを出してくれた。血液検査では特に異常はない。上腹部痛というので、内視鏡検査もしたが、たいした異常はなかった。普段から胸やけがあったらしい。下痢はないので胃腸炎といえないが、軟便や下痢が遅れて出ることもある。ウイルス性胃腸炎の初期症状かもということになったようだ。夕方まで2本点滴をして休んでもらった。夕方病棟の仕事をしていると、その先生から「お世話になりました」と電話がきた。PPIなどの処方ももらっていて、土日と休めば大丈夫だろう。

 内科外来を代わりにしていたが、60歳台男性が、4日前に受診して感冒薬をもらった(別の大学応援医師)が良くならず、発熱も出てきたと受診してきた。当初から左胸の痛みもあったそうで、左胸上部に聴診でラ音が聞こえた。肺炎になっている(最初から)。胸部X線で左肺野に浸潤影があった。CTでみると正面像で見るより範囲は広い。ただし、食欲はあって酸素飽和度は正常域だった。この患者さんは胃全摘術と脾摘を受けていたが、肺炎球菌ワクチンは受けていない。でっきり肺炎球菌肺炎と思ったが、尿中抗原は陰性だった。痰は結局出なかった。入院を勧めたが、外来治療を希望された。セフトリアキソンを点滴して、クラビット内服で治療を開始して、3日後の来週月曜日に再受診とした。

 内科クリニックからの紹介で80歳台女性の急性腎盂腎炎患者が救急搬送されてきた。悪寒戦慄があり、血液培養2セットと尿培養を提出したが、搬送前にメロペンが点滴されていた。これはおそらく培養陰性となるだろう。セフトリアキソン1g2回で治療を開始したが、効かなかった時は抗菌薬の選択がむずかしくなる。

 循環器科に心不全で入院した後、外来に通院していた80最台女性が左不全片麻痺と構語障害で受診した。2時間前に家族が症状に気付いて連れてきた。頭痛はなく、脳梗塞と思われた。頭部CTで出血はなく、陳旧性と思われるラクナ梗塞があった。頭部MRIで新鮮な脳梗塞を確認しようとしていたら、症状が軽減してきた。頭部MRIでは新鮮な梗塞はなく、終わった後にはすっかり症状が消失していた。一過性脳虚血発作ということになる。点滴を開始していたのが、脳循環を良くしたのかもしれない。しかし、MRAで脳血管は全体的に狭窄が目立ち、また症状が出てくるかもしれない。入院して経過をみることにした。それにしても、今日の午後は脳外科医との神経内科医がそろっていなかったので、症状が軽快して助かった。

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