なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

2名看取った

2015年11月03日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。さっそく救急隊から搬入依頼が来て、86歳女性の心肺停止だった。4年前に心臓センターのある専門病院で腹部大動脈瘤ステント留置を受けているという。腹痛(激痛ではない)を訴えた後にしばらく休んでいて、家族が意識がないのに気付いて救急要請をした。救急隊到着時は心肺停止だった。救急隊の報告を聞いて、腹部大動脈瘤の破裂と判断される。

 救急隊が心肺蘇生術をして搬入された。心停止(心静止)、自発呼吸なし、瞳孔散大だった。気管挿管して心肺蘇生を継続したが、反応はなかった。体温も下がっている。付き添ってきた家族(長男の嫁)に事情をお話して、死亡確認をした。CTで確認すると、腹部大動脈瘤破裂による腹腔内・後腹膜出血だった。半年に1回通院している処置をした病院で、いつ破裂してもおかしくないと言われていたので、遅れて病院に来た息子さん娘さんは、すぐに了解された。

 病棟に上がると、半年前から入院している90歳男性が、血圧測定不能・徐脈になっていた。病室に行って確認していると、心停止・呼吸停止となった。家族が来院するまで時間がかかるので、死亡確認は到着していからすることにした。半年前に地域の基幹病院呼吸器科から転院してきた。誤嚥性肺炎を繰り返すため、絶食・高カロリー輸液継続だった。

 そのままの治療を継続することにしたが、家族から患者さんが食べたがっているので、肺炎を起こしてもいいので食べさせてほしいと希望された。ほぼ必ず誤嚥性肺炎になるので、その際は肺炎の治療を行うが、心肺蘇生・人工呼吸まではしないということにした。嚥下訓練をすると案外食べられた。点滴も高カロリーから通常の末梢用輸液になり、それも中止した。全粥刻み食とろみ付きが摂取できたが、大抵食事中にせき込んでいた。何度か誤嚥性肺炎になったが、その都度絶食・点滴・抗菌薬で改善した。施設入所の申し込みをしたが、入所できる直前に肺炎になって、半年の入院になってしまった。先月末から悪化からの改善がみられなくなり、数口の摂取と点滴で経過をみていた。病院としては入院期間の点で好ましくない入院になったが、自然な形に近い対応だったかもしれない。

 今日は2名を看取った日直になった。他には、多発性脳梗塞の87歳女性がけいれん発作で救急搬入された。救急隊到着時にはけいれんは治まり、意識朦朧状態だったが、病院搬入時は意識が戻っていた。頭部MRIで新規の脳梗塞はなく、数個の陳旧性ラクナ梗塞を認めた、入院して抗けいれん薬で経過をみることにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする