なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

くも膜下出血で搬送

2015年11月04日 | Weblog

 日曜日と昨日の祝日に日直をしたので、今日は朝から疲れていた。午前中は内科再来で、血糖コントロールの悪い30歳代半ばの女性の処方をどうしたものかと考えたりしていた。統合失調症でセロクエルを処方されて、著しい高血糖になって精神科から紹介されたのが始まりだった。入院中は食事療法と内服薬で良好な血糖値だったが、外来になってからはコントロールがつかない。DPP4阻害薬よりはGLP1受容体作動薬を使用したいが、注射に抵抗があって同意してくれない。

 午後は心エコー検査を予約していた92歳女性を診察した。先月内科医院から心不全で紹介されたが、肺炎の併発もありそうと循環器科が内科に回した。酸素飽和度が良いことと認知症があることから、外来で利尿薬を開始したが、うまく反応して症状は改善した。心房細動はなく、心エコー上はMR・ARの所見があるが明らかな心雑音はない。いったん紹介先に戻して、利尿薬を継続してもらうことにした。

 夕方は98歳女性が呼吸苦?で家族に連れられて受診した。当院循環器科のほかに、内科クリニック、精神科病院(認知症)にも通院している。胸部X線・CTで肺炎の陰影を認め、炎症反応も上昇していた。大きな声で叫び、良く動く(歩行可能)。家族(当然高齢者)と相談をすると、整形外科に入院した時もずっと付き添っていましたという。夜間に付き添いの家族が寝てしまった時に、動き出して転倒骨折の可能性があり、就寝時は体幹抑制をつけさせてもらうことにした。いずれも当院らしい患者さんたちだ。

 内科の若い先生が担当していた巨細胞性動脈炎・リウマチ性多発筋痛症の67歳男性が、先週末に軽快退院した。笑顔で病棟から帰っていって、病院の駐車場にしばらく止めていた車に乗って自宅に向かった。途中で突然頭痛がして路肩に車を止めて車外に出たらしい。そのまま倒れて昏睡状態となった。近くの人が救急要請して、退院したばかりの当院に戻ってきた。頭部CTでくも膜下出血だった。退院したばかりの病室(今度は個室)に戻って、昏睡状態のまま血圧・脳圧の管理が開始された。

 この方は一人暮らしで、連絡先は他県の甥だったが、その日は来れず数日してから病院に来た。もうそのままダメかと思われたが、昨日から開眼して会話ができるようになった。こんなこともあるのかと驚いたが、こうなれば脳外科治療の適応になる。担当医が基幹病院脳外科に連絡すると、快く受け入れてもらえて、すぐに搬送した。手術を受けて元気で戻ってきてほしい(リハビリ目的で当院に戻ってくるはず)。

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