なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺炎じゃないの?

2015年11月12日 | Weblog

 1週間前の先週の金曜日に、外来を診ていた外科の先生から連絡がきた。40歳代半ばの女性事務職員が右胸痛で受診して、胸部X線・CTで陰影があるので診てほしいという。さっそく拝見した。「右中葉の肺炎ですね、胸膜にかかっているので吸気で胸痛が出てもおかしくないと思います。」と言ったが症状が肺炎の症状ではなかった。

 その日病院に出勤して、急に右胸痛が出現したという。発熱はなかった(熱が出にくい体質とは言っていたが)。咳・痰も自覚していない。白血球数12000、CRP9で炎症反応上昇がある。胸部X線で右中葉に陰影があり、CTで確認すると右S5にconsolidationがあり、air bronchogramを伴っている。陰影としては肺炎でいいと思われた。ただ、症状が違う。患者さん自身は気胸かと思って受診したという。確かに突発した胸痛だと(病院の職員で病名は知っているので)そう思うだろう。左だと心臓だと思うのだろうが、右側だし。

 バイタルに異常はなく、胸痛といってもそれほど苦しいわけではない。肺炎として抗菌薬内服で経過をみて、1週間後に再検査としたのが今日だった。途中で悪化する時は声をかけて下さいと言ったが、胸痛は2日で治まったので、予定通りの受診となった。

 今日は白血球数3400、CRP0.5と改善していた。胸部X線では多少陰影が淡くなったようではある。肺炎としては治癒だが、経過をみて胸部X線を再検することにした。今年6月の健診時の胸部X線では異常はみられない。放射線科のCT読影レポートでは肺炎か肺梗塞が疑われるが、症状からは(検査オーダー時に記載されていた)肺梗塞を示唆するというものだった。

 

 

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