2週間前に91歳女性が肺炎で入院した。高血圧症・気管支喘息で当院の内科外来に通院していた。発熱と咳・痰の増加が続いて、午後だったので近くの内科クリニックを受診して、肺炎としてその日のうちに紹介されてきた。胸部X線・CTで3か所に浸潤影があったが、普通に抗菌薬投与(セフトリアキソン)で解熱治癒した。膝が悪いので歩行はゆっくりだが、認知症もなくしっかりした方だった。
明日退院の予定だった。昨日病室に行くと、鼻に黒い低く隆起した4mmくらいの皮疹があった。小鼻のちょっと上になる。1か月前から気になっていて引っ掻いてもとれなくて、と言う。入院してからあったはずだが、こちらも気にしていなかった。いつからあったのかと訊いても、正確にはわからないようだ。これは皮膚科の教科書に載っている基底細胞癌?。
今日皮膚科外来(大学病院皮膚科からの出張)で診てもらうと、基底細胞癌疑いで生検された。予定通り明日退院して、1週間後に皮膚科外来受診予約となった。全身を診ないとだめという教訓。