なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

スタチンによる横紋筋融解

2016年06月01日 | Weblog

 先週、高血圧症・糖尿病・脂質異常症(高コレステロール血症)で通院している71歳男性が筋肉痛を訴えた。四肢と胸腹部の筋肉が痛いという。何か草むしりとか作業をしすぎたんですか、という暢気な話で始まった。腕立て伏せを毎日日課としているが、特に普段と違う運動はしていないそうだ。検査結果をみると、筋原性酵素が上昇していた。CKは4200で、ASTとLDHも軽度に上昇していた。筋肉の把握痛がある。

 1週間くらい前から始まった症状だった。発熱はないが、同時期から夜寝汗をかく。微熱があるのだろうか。白血球数は正常域で、CRPを追加すると、0.1だった。1週間経過してこの値では筋炎ではないのだろう。特に先行する風邪・上気道炎の症状はなかった。内服薬にアトルバスタチンが入っている。確認すると一昨年の12月から脂質異常症に対して処方を開始していた。けっこうな期間処方していたが、他の原因は考えにくい。日常生活ができなくはないので、入院はしたくないという。まずアトルバスタチンを中止して、経過をみることにした。

 昨日再受診したが、筋肉痛は軽快してほとんど消失していた。CKは400まで下がっていた。抗ARS抗体は陰性。物の言い方はカラッとした感じの方だが、このまま寝たきりになったらどうしようかと思ったと言う。薬の副作用と確診したことをお話した。別のスタチンにするのも怖いので(スタチン全体が禁忌だろう)、脂質異常症は無投薬で経過をみて、無視できないほど高値を呈する時はエゼチニブ(ゼチーア)の投与を考慮する予定だが、値段が高いのでイヤがるかもしれないし、脂質の薬が怖くなって内服したがらないかもしれない。本当に脂質を下げるべきなのかという話もあるし。

 スタチンは山のように処方していて、自分でも内服している。CKが若干高くなる患者さんは多少いるが、ここまでの副作用は初めてだった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする