なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

画像は悪化、症状は軽快~急性膵炎その後

2016年06月10日 | Weblog

 先週入院しした67歳男性は、入院後に血清アミラーゼは順調に減少して正常化したが、腹痛は悪化して炎症反応が上昇した。膵臓自体の腫脹も悪化して、周囲脂肪織の炎症像も悪化した。やはり総胆管結石の嵌頓からの自然排出を考えていたが、証拠がないのでわからない。

 3回目の腹部CTで増悪した膵炎像をみて困っていた。膵壊死・感染の併発・DIC・ショックに陥る前に、高次病院への転送すべきかとも思われた。午前中にCTを撮影して、午後に病室に行くと、案外腹痛はそれほどではなくなっていた。その翌日(入院1週間後)からは明らかに腹痛が軽快した。昨日炎症反応もやっと下がり始めた(悪化時も改善時も遅れて変化するものではあるが)。画像をみると気持ち悪かったが、臨床症状の改善から、食事を開始した(流動食から開始して上げていく)。来週明けの検査でぐっと検査値が改善したところで治療を終了できそうだ。重症膵炎を多数診ている施設からすれば、大したことはないのかもしれないが、今回はちょっと怖い思いをして診ていた。

 

 

コメント (1)
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