なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

めまい~メニエール?

2016年06月28日 | Weblog

 昨日回転性めまいで53歳男性が救急搬入された。その日の午前中から回転性めまいが出現して、嘔気・嘔吐もあった。頭痛はない。休んでいると軽快したが、動くとまためまいがした。夕方結局仕事ができそうもないと判断して、帰宅のため妻に迎えを頼んだ。めまいがして、とても車に乗れそうもないので救急要請したのだった。搬入時、BPPVかと思ったが、経過は長かった。

 1か月前から発作的に回転性めまいが生じるようになった。めまいの持続時間は、患者さんの話では5分くらいというので、少なくとも長くは続かないようだ。その頃から耳鳴を感じるようになった。耳鳴については、左側だったり、右側だったり、頭の真ん中に生じたりと表現した。めまいが起きた時に、耳鳴が同時に出現・悪化するわけではないという。

 内科クリニックに高血圧症で通院していて、最初そこでめまいの処方をうけたが、めまい発作が続くので耳鼻科クリニックを受診した。自覚はしてないが、聴力検査で異常を指摘されたという。メニエールと言われたそうだ。めまいの処方を受けたが、症状が続いたので別の内科医院を受診した。当院の放射線科に頭部MRI検査が依頼されて、搬入された日の2日後に予約されていた。運送業に従事していて、その日も会社で出ていたくらいだから、めまい発作の時以外はそれほど症状はなかったのだろう。

 MRIが空いていたので、翌々日の予定を早めて頭部MRIを撮影することにした。耳鼻科の外来(大学病院から応援)が午後にあるので、検査後に紹介とした。頭部MRIでは小脳脳幹部を含めて脳血管障害はなく、聴神経腫瘍などの脳腫瘍もなかった。聴覚症状を伴っているし、他の神経症状はないので、内耳性のめまいということになる。

 耳鼻咽喉科の先生に診てもらうと、Frenzel眼鏡で検査して定方向性の眼振があり、潜時・疲労現象・方向交代性眼振がないということで、メニエールか前庭神経炎でしょうということだった。

 聴覚症状がめまい発作と一致していないようだが、聴覚症状もめまいと同時期から始まったのであれば、メニエールなのかもしれない。以前に診た前庭神経炎の患者さんは、回転性めまいと浮遊感が混じった症状がずっと数週間続いて治癒していた。この方は発症してからも仕事をしていたので、症状は発作的に生じていて、発作のない時には何でもないのだろう。

 内科に入院して経過をみて、2日後耳鼻科外来で再診(その時は聴力検査も施行)となった。メイロンは効いた気がしなかった。

コメント (1)
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