なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

もう専門医には行きません~多発性骨髄腫

2016年06月07日 | Weblog

 2月に63歳女性が医療センターの血液内科からの紹介で当院を受診した。6年前に多発性骨髄腫と診断されて、ベルケイド(ボルテゾミブ)、次いでレブラミド(レナリドミド)の治療を受けて、完全寛解にはならなかったが、病状が落ち着いてその後は経過観察になった。定期的な通院になるはずだったが、そちらにはもう行きたくないということだった。なんでも診断がついた時の話で余命3年と言われたそうで(MP療法の時の平均余命か)、どうせ完治しないなら、もう治療は受けたくないという。今は治療が複雑になっているので、フォローの通院はしてほしいところだが、その気はなかった。紹介状には、通院する気になったらまた紹介して下さいとあるが、患者さんの勢いに困惑したような文面だった。

 最初に診た先生(大学病院からの応援医師)は中堅になりかかったくらいの先生だったが、その後若い大学院生の先生に変わり、患者さんの個性にタジタジとなって、常勤医の方に回された。一般的な患者さんに比べて治療の変更・開始に納得してもらうまで時間がかかる方だった。最初に言われた余命を過ぎているので、もう死んでもいいと言うが、治癒していると思いたいのかもしれない。

 高血圧症・糖尿病があって、HbA1cが高値(一時は9~10%)だったが、専門外来なので治療していなかったらしい(糖尿病科はない)。当院の初診時はHbA1c7.1%だった。少なくともここ1年は、血清クレアチニンが2.2~2.5mg/dl。血圧は安定している。糖尿病の治療を追加して経過をみることにした。骨髄腫についても見ていくことになると、最新の治療を勉強するしかない。

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