なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

内頸静脈血栓塞栓症

2016年07月12日 | Weblog

 Lemierre症候群の65歳男性の腎機能が改善したので、頸部~胸部造影CTを行った。確かに右内頚静脈の血栓塞栓症があった。右頸部の腫脹はまだ若干あるが、疼痛(重苦感)は軽減して、開口障害は消失した。幸いに肺の敗血症性塞栓はなかった。血液培養で2セットから同じ嫌気性菌(グラム陽性球菌・桿菌、グラム陰性桿菌)が検出されたが、それ以上の菌の同定はできないそうだ。残念。抗菌薬をどこまで継続するか、抗凝固薬をどこまで継続するかだ。抗菌薬はセフトリアキソンで開始していたが(溶連菌・インフルエンザ桿菌狙い)、口腔内けんきせいカバーでアンピシリン/スルバクタムに変更している。

 大学病院の感染症科の教授一行が当院の感染病床を見学に来られた。当院には2類感染症対応の感染病床がある。大学病院でも1類・2類感染症対応の病床を造る予定だが、平成30年完成予定になっている。それまでにMERSなどの感染症患者(流行地域からの帰国者)が発生した場合は、感染病床を持っている市中病院にお願いするそうだ。

 当院には感染病床が4床あって、外からの専用の入口もある。建物は立派だが、建設にかかわった感染症に詳しい医師はすでにいない。物はあるが人がいない状態だ。成人麻疹の患者さんなどでごくたまに使用している。大学病院でも、担当する医師は決まっているが、担当する看護師さんをどうするかは決まっていないそうだ。本当にMERSの患者さんが来たら、拒否されてしまうかもしれない。

 「よくある副作用症例に学ぶ 降圧薬の使い方 改訂だ4版 高血圧治療ガイドライン2014対応」を読み返している。高血圧症の本でこれ以上のものはないと思う。

コメント
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