なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

戻ってきた気胸

2016年07月11日 | Weblog

 間質性肺炎で気胸をきたした77歳男性が戻ってきた。胸腔ドレーンを入れて吸引していたが、まったく改善せず、先月呼吸器センターのある専門病院へ転送していた。胸腔ドレーンをもう1本挿入していたが、改善はみられなかった。当院で挿入した方のドレーンから感染をきたしたので(3週間くらいになっていた)、それを抜去して1本での吸引を継続している。気管支鏡による処置も考慮したが、そもそも胸膜側全体にブラがあり、どこから漏れているのか同定できないので断念したそうだ。呼吸器外科に相談したが、処置をするそばから、さらに漏れてくる可能性が高く、手を付けられないという判断だった。

 先週の金曜日に主治医の先生から、在宅酸素になった経緯などの問い合わせの電話がきた、その時に転院してからの状況を伺って、どうしようもなくて困っている様子だったので、専門的な治療の対象にならなければ当院に戻してくださいと伝えていた。胸部X線で確認すると、肺は広がっていなかった。奥さんの話では、地元の病院に戻ってきたので、患者さん本人は良くなっていると思っているようだという。吸引を継続して経過をみるしかない。刺激の少ない自己血を注入したらどうだろうか。

 慢性腎不全で通院していた91歳女性が、全身性浮腫で受診した。もともとある程度の全身性浮腫はあるので、全身性浮腫の悪化?ということになる。室内の短い距離をやっと歩くくらいだったが、ほとんど動けなくなって、娘さん夫婦が連れてきた。処方されている利尿薬をさらに増量して経過をみるしかない。血液透析の適応はなく、尿毒症が進行していく時はDNRの方針とした。

 紫斑病性腎炎はIgA vasculitisという病名になっていた。ネフローゼ症候群を呈すると50%以上は腎不全になるそうだ。「研修医当直御法度」の第6版が出ていたので、amazonで注文した。第2版から購入していて、第3版には寺沢秀一先生が当院に講演に来たときにもらったサインがある。

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