食欲不振の81男性が息子の嫁に連れて来られた。肺炎として内科医院で治療していたが良くならないという。嫁も同居していないので、ふだんの状況がわからないらしい(妻と二人暮らし)。基幹病院も受診しても入院にならなかったいうが、それがいつの話なのかわからない。
胸部X線で肺炎様の陰影を認めた。右肺には気道性に粒状影が散布して、気管支血管束に浸潤影がある。左肺尖に浸潤影と空洞があった(陳旧性?)。結核を疑って痰抗酸菌塗抹を提出したが、陰性だった。1回陰性でも否定できない。個室入院で抗酸菌検査を繰り返すことにした。
施設に入所している68男性がまた酸素飽和度低下で救急搬入された。もともと精神遅滞があり、若いころからずっと施設で生活している。間質性肺炎があるが、誤嚥性肺炎を併発して入退院を繰り返していた。病棟で名前を言うと看護師さんはすぐわかる有名人だった。この方は高炭酸ガス血症もある。普段からぎりぎりの酸素飽和度で、痰が絡むと下がってしまう。本当は施設で在宅酸素はできないらしいが、特例で施設の方から在宅酸素(在施設だが)導入の申し出があった。
今回は胸部X線・CTでみると、誤嚥性肺炎というよりは、もともとの間質性陰影が悪化してきたようだ。ステロイドと抗菌薬投与で治療をするが、どうなるか。とりあえず今日はおとなしくしているが、良くなると大声を上げて(言っていることの意味は不明)動き出してしまう。これまで何度も著しい低酸素で入院していて、入院のたびに呼ばれる弟さんは、悪化時はDNRの書類に何度もサインしている。
夏休み中の先生の患者さんのうち、重症肺炎の患者さんはなんとかもっていて、軽度の肺炎の患者さんは解熱して軽快していた。