クリニックから電話で依頼があり、高熱の患者さん(64歳男性)を紹介したいという。発熱以外には症状がないという話だった。市医師会長に就任したばかりの元気な先生で、時々出席する医師会の講演会でも良く話かけてくれる。ふだんは糖尿病と高血圧症でそこに通院していた。
昨年排尿に時間がかかるという訴えで当院の泌尿器科を受診して、ユリーフの処方を受けていたが、症状が改善して通院をやめていた。最近は頻尿があるというので、尿路感染症、特に前立腺炎を考えたが、直腸指診で前立腺の腫脹・圧痛はなく、尿検査でも混濁はなかった。
先月初めに隣県の病院で腰部脊柱管狭窄症の手術を受けていた。その後、術創部から糸が出て、クリニックで抜糸していたという。仰臥位になると背中の創部が当たって痛いが、術後なのでそんなものと思っていたらしい。発赤・腫脹・圧痛があり、押すとプニプニしていた。膿瘍形成があるが、深さはわからない。
単純CTでみると、手術創の直下の皮下組織から背部筋にかけて膿瘍形成を認めた。腰椎への波及も疑われた。肺炎・胆道感染症も否定的で、これが発熱の原因と確診できる。術後の感染なので、手術をした整形外科に紹介するしかない。早速地域医療連携室から連絡をとって、受診する手配をした。