今日は日直で出ている。比較的受診数は少なかった。間質性肺炎で他の先生が診ている87歳男性(在宅酸素)が酸素飽和度低下で受診した。両側肺に陰影が加わっていた。間質性のような浸潤影のようなで、良くわからない。前回の入院中に間質性肺炎の増悪として、基幹病院呼吸器科に転送された。その時は感染性の肺炎によると判断されて、カルバペネムと抗真菌薬の投与で軽快した。長くは診ないので、また当院に戻ってきたが、まだ食事摂取ができない状態だったので、その後しばらく入院していた。
今の処方はプレドニン30mg/日にバクタとジフルカン内服で、これで増悪したら厳しいという話をしていた。間質性肺炎のマーカーは外注ですぐにはわからないが、LDHの増加が目立った。プレドニンの増量にするかどうかも迷ったが、今日はステロイド(ミニ)パルスを追加して、抗菌薬(ゾシン)を開始した。
88歳女性がデイサービスの施設で転倒した。ばたっと倒れたのではなくて、しゃがみ込むように倒れたという話だった。当初は腰が痛いという訴えだったので、外科で胸腰椎のX線を撮影した。背部正中に沿っての叩打痛はなく、X線でも新規の圧迫骨折はないと判断されて、帰宅となった。ところが、病院の駐車場まで行ったところで、嘔吐して腹痛を訴えた。病院に戻ってきて、今度は内科受診となった。右側腹部を痛がっていて、認知症はあるが、転んでから腹が痛くなったという。訊き返しても同じ訴えだった。
胸腹部CTで確認すると、右側腹部の筋肉内に血腫がある。圧痛部位と一致した。断続的に嘔気も訴えている。外科でも診てもらって、外傷なので外科入院となった。
昨日「即戦力 循環器疾患診療実践ガイド」樅山幸彦編著(診断と治療社)を購入した。樅山先生は、「さあはじめよう!心電図」(医学出版)の著者だった。「研修医が目の前の患者さんを実際に診断し治療できるようになるための手引書」とある。小著ではあるが、よくまとっていてわかりやすい。非専門医には十分で、これに枝葉を足していけばいい。欠点はどちらの本も小著の割に値段が高いこと。