なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

「モリタクの低糖質ダイエット」

2016年07月16日 | Weblog

 「モリタクの低糖質ダイエット」はライザップのCMに出ている経済アナリスト森永卓郎さんのダイエット本だ。4カ月で約20Kgのダイエットに成功している。炭水化物大好きで、清涼飲料水がぶ飲みで、HbA1cが11.4%となって、糖尿病の治療をしていた。それが糖質制限+筋トレで、注射(GLP1受容体作動薬)も経口血糖降下薬も必要なくなり、血糖検査だけ定期的に受けているそうだ。

 江部康二先生のブログに、東大の門脇孝教授の話が載っていて、東大病院でも糖質40%の食事を始めていて、門脇先生自身が糖質制限食にしているという。ますます流れは糖質制限に傾いているようだ。

 「糖尿病治療ガイド2016-2017」を見ていた。内容はさほど変わらないが、新薬が次々に出る糖尿病薬が一欄表になっているので整理するのによい。食事療法は、炭水化物60%・55%・50%と微妙な下げ方のままだ。ここから、さらに40%へ下げていくのだろうか。

 「重篤な肝障害(肝硬変など)が合併すると、肝への糖取り込みの低下と糖新生の低下により、食後高血糖とともに食前血糖が起こりすくなる。経口血糖降下薬ではこの状態を是正することは困難で、速効型(または超速効型)インスリンの毎食(直)前3回注射が必要である。」というところは参考になる。実際に、腹水コントロールの難しい非代償性肝硬変の患者さんが入院しているから。空腹時血糖が低めの割に、食後血糖が高く、ついスイーツを食べると血糖500超になったりする。ついでに膵性糖尿病で低血糖になりやすいことも言及していいと思うが。

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