今日は内科再来を診ていた。珍しく受診数が少な目だったので、検査結果待ちの間に数人分の外来サマリーを記載できた。93歳男性が娘さん(といってもそれなりに高齢者)といっしょに受診した。処方は単純で、降圧薬1剤と抗血小板薬のみだった。4年前に一過性意識消失をきたして2回救急搬入された。2回目の入院の時に担当したのが始まりだった。頭部MRI・MRAで左中大脳動脈が極端に狭窄をきたしていたが、新規の脳梗塞はなかった。数十年前に胃切除術を受けていて、2年間からは胃切除術後のビタミンB12欠乏性貧血でメチコバール注も定期的にしている。
この方は一人暮らしで、病院受診の時だけ娘さんが連れてくる。ヘルパーさんが食事を作るために訪問しているそうだ。3週間前に体調不良が1週間続いたが、病院受診をかたくなに嫌がって結局受診しなかったという。食事がとれなくなって寝込んでいたが、発熱はなかった。毎日畑仕事をしているので、熱中症になったのがきっかけかもしれない。「体調が良くなったので病院に来ました」というのは高齢者で時々ある。
医局のボードに「透析拒否患者。受診時は透析担当医にすぐ連絡」と赤で記載されていた。63歳男性で、この方の糖尿病の治療を担当していた。7年前に奥さんに連れられてしぶしぶ受診してきた。糖尿病はずっと以前から指摘されていたが(健診の結果)、受診していなかった。当時56歳だから、通常奥さんが付き添ってくることはないが、無理にでも連れて来ないと受診しないのだろう。
初診時、HbA1cが13.4%だった。尿蛋白も陽性だった。入院は拒否したので、外来でインスリン注射を導入した。インスリン強化療法と経口血糖降下薬を組み合わせて、HbA1cは6%後半から7%前半になった。ずっとその値をキープしていたが、血清クレアチニンが次第に上昇して、3年後に2台になって、5年後に6台になった。腎臓内科に通院になって、血清クレアチニン8で血液透析導入が予定された。予定されたが、患者さんが透析を拒否した。腎臓内科医に、「同意してもらえません。どうしましょう」と相談された。「奥さんがしっかりしているので、奥さんに任せましょう」、と伝えた。奥さんの説得で、しぶしぶ透析導入となった。
先月、透析継続を拒否という話を聞いていた。困ったなあと思ったが、病院としては電話で受診を勧めることしかできない。どうなるかと思ったが、結局肺水腫+全身浮腫で今日受診して、さっそく透析再開になったそうだ。この方は今の病院に来てから初めての透析導入の患者さんで、導入になった時はすごくガッカリした。