今日は日直で病院に出ている。午前中は受診数が少なかったので、内科学会のセルフトレーニング問題をインターネット版で見始めた。多発血管炎性肉芽腫症の症状と、難治性中耳炎・進行性感音難聴を呈するANCA関連血管炎性中耳炎らしい症例が出てきた。昨日購入した「見逃すと怖い血管炎」に載っていた。2012年Chapel Hill Consensus Conferanceの名称変更後のことがわかりやすく記載していて、買ったかいがある。
肝内胆管癌の88歳女性は、当院の消化器科から基幹病院消化器科に紹介されて、胆道ステント挿入の処置を受けて退院していた。心窩部から左季肋部にかけての疼痛があり、本人の解釈では便秘のせいというが、腫瘍による疼痛と判断された。希望もあるので便秘の処方もしたが、癌性疼痛としてアセトアミノフェンを開始した。
87歳男性は起き上がれなくなったという訴えで救急搬入された。通報した息子さんは脳梗塞の既往があることから、再発を心配したらしい。特に麻痺症状はなく(以前からの左不全麻痺は同程度)、頭部CTでも変化なかった。左関節の発赤・腫脹が目立ち、発熱もあった(WBC・CRP上昇)。関節炎(おそらく偽痛風。左ひざ関節も若干熱感あり)による発熱でふらふらするということのようだ。一人暮らしということで、NSAIDで経過を見るだけだが、入院とした。
68歳女性は高熱で基幹病院の救急外来を夜間に受診したそうだ。カロナールのみ処方されて帰宅となっている。高熱が続いて食事がとれないので今日は当院を受診した。発熱の前に膀胱炎症状の先行があった。左CVAの叩打痛もある。検査で尿混濁と炎症反応上昇があり、急性腎盂腎炎で入院とした。CTで左腎周囲の脂肪織に少し炎症像がある。尿路閉塞はなかった。
糖尿病・糖尿病腎症・ネフローゼ症候群で通院している47歳が、四肢脱力で動けなくなって、救急搬入された。全身浮腫で利尿薬を処方しているが、血清カリウムが低値となって、利尿薬の変更などの調整をしていた。今日は血清カリウム2.0だった。筋原性酵素も上昇している。ラシックス減量と、アルダクトンA・ARBの継続にカリウム製剤追加でみていたが、ダメだった。入院で、ラシックスを中止して経過をみることにした。