なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性精巣上体炎

2017年03月01日 | Weblog

 先週74歳男性が39℃の高熱と下痢で動けなくなって、救急搬入された。白血球数3万・CRP12と上昇していた。救急当番の先生から内科の先生に入院治療が依頼された。数日後にこんな患者さんがいて、と相談されたというよりは、報告された。感染性腸炎として便培養を提出していて、大腸菌0125が検出(ベロ毒素は陰性)されたそうだ。

 患者さんの訴えははっきりしなかったそうだが、CTで陰嚢内の腫脹が写っていたのだという。泌尿器科(非常勤)の先生に診てもらうと、精巣上体炎と診断された。画像は途中で切れているCTだけで、できればエコーやMRIも見てみたかった(後からでも施行してもらえばよかったが。これだと、精巣上体の腫脹が良くわからない)。すでにセフトリアキソン点滴静注で解熱していた。

 ケアネットで、上田剛士先生が「若年男性特有の下腹部痛」の講義をしていた。陰嚢痛の鑑別して、精索捻転・精巣上体炎・精索垂捻転を上げていた。精巣上体炎の起炎菌は、35歳未満ではSTDとしての淋菌・クラミジアで、35歳以上では尿路感染症としての大腸菌などになる。

 今回は病原性大腸菌による細菌性腸炎から尿路感染症・精巣上体炎をきたしたということだろう。担当した先生は以前にも精巣上体炎を治療したことがあるそうだが、当方はない。

コメント (1)
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