なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

慢性アルコール性膵炎の増悪

2017年03月28日 | Weblog

 お昼近くに救急車の音が聞こえていた。救急当番は外科医だった。病棟の仕事が終わって、画面で確認すると、搬入された患者さんは30歳代半ばの女性で、名前に見覚えがあった。退院サマリーを見て確認した。

 2年前に心窩部痛が出現して喘息で通院している内科クリニックから紹介された。急性膵炎だった。胆道系に問題はなく、原因はアルコール性。普段から(本人の話では)日本酒換算3合くらいのビールや焼酎を飲んでいる。その時は宴会があり、いつもの倍量の飲酒をしたそうだ。普通に点滴・FOY・抗菌薬で治療をして、1週間ちょっとで治った。CTで膵頭部~鉤部に少しだけ石灰化があった。MRCPでは主膵管に異常はなかった。

 禁酒を勧めたが、その半年後にまた急性膵炎で入院した。搬入時に救急当番の外科医から連絡がきたが、学会に行く直前だったので、消化器科の若い先生(その後実家の医院を継承)に主治医を依頼した。10日ちょっとで退院して、その後の入院はなかった。

 今日のCTを見ると、膵頭部~鉤部の石灰化が増加していた。着々と慢性膵炎は進行している。担当した外科医がそのまま主治医で入院になっていた。女性の慢性アルコール性膵炎は割と珍しいが、男性よリ少ないアルコール量と期間で慢性膵炎になるようだ。

 

 

コメント (1)
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